ルチル

ローラのルチルのネタバレレビュー・内容・結末

ローラ(1961年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見てみたかったジャックドゥミの「ローラ」。
学生の頃はフランス映画が大好きで、特にジャックドゥミの明るいミュージカルが大好きでした。
当時はこのデビュー作はビデオ化もされておらず…。

フランス映画も久しぶりで、フランス語の響きから、女性たちの立ち振る舞いや、言い回し、タバコを美味しそうに吸ったりとか、あーやっぱり好きでした。

ローラが一見、踊り子で刹那的に生きているかと思いきや、初めて好きになった人の子供を1人で育てながら、7年も彼の事を信じて想いながら待っているのが、とても胸に来るものがありました。
そして最後に彼が戻ってきた時の喜び!
それまでの間、いろんな葛藤や不安もあったでしょうし、信じられなくなった時もあったでしょう。
でもやっぱり戻ってきてくれた、その喜びが伝わってきて、周りの踊り子たちが泣いてるのと一緒になって涙が出ました。

またアメークエーメの仕草がとてもチャーミング!
「私、信じてる、自信があるの」
「見て、髪サラサラでしょ!」
「この色、私には似合わないの、ごめん」
「子供ってすぐ寝るのよね」
こんな何気無いセリフが印象に残りました。

また、この映画が「シェルブールの雨傘」と繋がっていると知って、久しぶりに「シェルブールの雨傘」も見直して見ました。
当時見たときは、カトリーヌドヌーブの可愛らしさと、色彩の美しさにしか目が行かず、話はうろ覚えでしたが、ほんとだ、ロランが出ていました。
しかも宝石商になって。「ローラ」の時の若者特有の迷いの時期からすると、まー立派になって!と思わずにはいられませんでした。
ローラのもとにミッシェルが戻ったと知ったあと、船に乗り宝石の密売人に会いに行きそこから宝石商になったのでしょう。
ロランは、ナントでセシルに英語の辞書をあげた時のように、エムリ夫人が売りにきた宝石を買い取ってあげます。
そういう、人の傾向ってあると思いますが、ロランはそういうシチュエーションになりがちな人なんだなと思いました。

7年も恋人を待ち続けたローラと、一年も待てなかったジュヌヴィエーブ。
ずいぶんタイプの違うひとを選んだのだなと思いました。

また、どちらの映画も女性が自立し強く生きているなと思いました。
「ローラ」がもし、カラー映画だったら、港町ナントの海や、アメークエーメの口紅の色や踊り子の衣装、セシルの着ていたワンピースが印象的だったろうなと思いました。
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