このレビューはネタバレを含みます
(『EMMA』みたいな)欧州貴族モノってあんま好みでなくて最初ちょっとかったるかったけど、オリヴィア・コールマンはバケモンみたいな演技するし、エマ・ストーンは「あの『ゾンビランド』の人ですか?」と確認したくなるし、あと最近『ハムナプトラ』見たのでレイチェル・ワイズの進化にもしびれた。主演3人がアカデミー賞とってもおかしくないだろこれ。
はじめは「え、これがアン?」と思ったけど、進むにつれてヤバさがわかった。たしかに女王様だ(しらんけど)。王族なんてなんの縁もない人から見たら近所のおじちゃん、おばちゃんなんだな。
ラストの「踏む」シーンでアンが爆発したように、見てる側も沸点に到達する。アン女王の孤独と怒りと悲しみと後悔と恋しさとせつなさと心強さと。
私は結局、この監督の映画が好きなのか嫌いなのかよくわからなくなるときがある。でも、アビゲイルの結婚初夜の手ワザとか、落馬したサラを助けた奇妙な連中とか、この監督のクセみたいのは一様に好き。
史実だと、サラを追放してから4年後にアンが死ぬ。アビゲイルはアンの死に伴い宮殿から去り、20年後に亡くなったそうな。盛者必衰。私は平穏に暮らしたいよ。