フライ

ナチュラルウーマンのフライのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
4.1
歌手のマリーナが同棲していた年配男性オルランドの死により受ける偏見や差別に苦しむ姿は観ていてとても辛いものがあったが、内容は素晴らしくとても考えさせられた。
何の情報も入れずに見た本作。冒頭オルランドのサウナシーンと封筒を探すところから始まるストーリーは、色々と不可思議な点が多く年の差不倫を描いた作品なのかと思いながら鑑賞。だが女性だと思っていたマリーナがトランスジェンダーの若い男性だと気づいた時はかなり衝撃を受けたが、そこから始まる差別と偏見の嵐にかなりストレスを感じた。同時に、抽象的に描かれた内容は色々な立場の人達について考えさせられたし、誹謗中傷する人達を一概に批判しきれない自分がいる事に尚更不快感を感じてしまった。
冒頭のシーンから繋がる終盤への答え探しは興味深かったが、最後に結論を見いだしたマリーナが現実に向き合いラストでオペラを歌うシーンはとても素敵に感じた。
最後に強く感じたのは、オルランドが選んだのは魅力のある人間であり、別れた妻は偏見に満ちた魅力の無い人間なのだと言う事。
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