GreenT

イングリッド ネットストーカーの女のGreenTのレビュー・感想・評価

1.5
主人公のイングリッドはある日、いつものようにインスタをチェックしていると、今まさに行われている友達の結婚式を見つける。招待されなかったことに腹を立てたイングリッドは、パーティ会場まで行き、花嫁にメイスをスプレーする。

でもどーやらイングリッドはこの花嫁と友達だったわけではなく、単なるフォロワーだったことが分かる。

そんでこの一件のせいで、イングリッドは精神病院に入れられたらしい。

この映画は「現代のSNS中毒を赤裸々に描いている!」ってすっごい評判いいのですが、私はなんだか「?」って感じでした。

まずイングリッドが、最近お母さんを亡くしたばかりで孤独だったことと、精神的に不安定だったことが描かれているので、「特殊なケース」って感じで共感できない。

「普通の私たちが、こうなっちゃうんだよ」とか、普通の私たちが普通に行動していることを映画で見せられると「え!」って思うような気付きがない。

イングリッドが見つける「インフルエンサー」のタイラーも、ヤフー・ニュースとかでしょっちゅう見る「あるある」インフルエンサーだし。

イングリッドのような社会性のない人が、一見華やかに見える人気者に執着してストーカー化したり、髪やメイクをソックリにしたりってのは、結構昔からある『ルームメイト(Single White Female)』などで使い古されたプロットだし。

ただ、今のSNS時代のコンテクストに落とし込んだ、って感じなのはわかる。だって、インフルエンサーたちは「今どこで何をしています」とか、「このレストランが好き」とか全部ネットに紹介しているから、探そうと思ったらすぐ探せる。顔出し、本名出しだし。

でもそれにしたってもうヤフー・ニュース読んでればわかるしなあ。なんか目新しいことは何もない。

イングリッドの大家さんのダンを演じるオシェイ・ジャクソン・Jr. って人だけがなんか味があって良かったけど、この人アイス・ティーの息子なんだって?!『ストレート・アウタ・コンプトン』でもお父さんの役を演じているって読んで、へえ~そうなんだ!って思った。

でもこのキャラ、なんでイングリッドに魅かれるのか全く理解できない。車貸して上げたら事故って返ってくるし、約束は平気ですっぽかされる。それをイングリッドは、400ドルもするバットマンのジャケットをプレゼントすることでチャラにして欲しいって言うんだけど、そんだったら車の修理代8000ドル払えよ!

しかもこの時、ダンと和解しようと思ったのも、タイラーに気に入られるため。この行動が私には全く理解できない。最初の方で、タイラーのアボカド・サンドイッチ?のポストにコメントを入れる時、「私とあなたはベストフレンドになるべきよ!」とか書いて、自分で「これ気持ち悪い」って思って何度も書き直し、結局「美味しそうね。自分で作ったの?」という当たり障りのないコメントに落ち着くところ、こういうのは「ああ~自分もこういうことしているな」ってギクッと来るところあるけど、そういう共感や気付きはほとんどなくて「イングリッドは頭おかしい」としか思えない。

この先はネタバレになると申し訳ないので、コメント欄で!
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