エイデン

ロマンティックじゃない?のエイデンのレビュー・感想・評価

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)
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映画のロマンティック・コメディに憧れていた純情な少女ナタリーは、ブスでデブな自分にはそんなこと起こりはしないと言う母親の言葉に夢を打ち砕かれてしまう
それから25年後
ニューヨークで建築士としてキャリアを重ねてきた彼女だったが、消極的なところもあり強く出ることができず、雑用を押し付けられる日々
アシスタントのホイットニーと同僚のジョシュは、そんなナタリーの愚痴を聞いてやっていた
その日もナタリーはジョシュに推されて自分の設計した企画を新たなクライアントであるブレイクに提案しようとするも、お茶汲みと間違えられる始末
落ち込むナタリーの前で、ジョシュとホイットニーが大好きなロマコメ映画の話をすれば話をしていると、すっかりロマコメの世界感やストーリーを馬鹿にしていたナタリーは、饒舌に批判を始めるのだった
母親に言われた通り、人生に劇的な出会いはないと確信していたナタリーは、その帰りに電車の中で突然 男に声をかけられる
戸惑いながらも電車を降りるが、実はその男は強盗だった
バッグを引ったくろうとする男に抵抗するナタリーは、逃げようとしてポールに正面衝突、そのまま意識を失ってしまう
しばらくして病院で目を覚ましたナタリーは、担当医だというイケメンに突然口説かれ驚き、服もゴージャスなものを渡され戸惑いながら退院
するといつものニューヨークとは街並みがどこか違っていた
ゴミの臭いがラベンダーの香りに変わり、道行く人がナタリーに声をかける
口汚い言葉は何故か遮られ、音楽に合わせて人々がミュージカル調に踊り出す
何かがおかしいと思い街をさまよっていると、突然ナタリーはリムジンにぶつかってしまう
そこに乗っていたのはブレイクで、彼も何故かナタリーの顔を覚えていないばかりかオーストラリアなまりのアクセントで、ナタリーを自宅まで送ると言う
例の如くナタリーを口説き始めるブレイクは、去り際にバラの花びらに電話番号を書き記して行く
ナタリーの自宅は2部屋分の広さに変わり内装もきらびやか、懐いていなかった愛犬も尻尾を振って彼女を出迎え、嫌味な隣人ドニーは仲良しのチャキチャキのゲイとなっていた
いよいよドッキリではないことに気が付いたナタリーは、自分があれほど嫌っていたロマコメ映画の世界に迷い込んだことを確信する



ロマコメ世界に異世界転生
ロマンティック・コメディを皮肉った恋愛コメディ映画

確立されたジャンルの「あるある」を上手く逆手にとったタイプの作品
『ラスト・アクション・ヒーロー』や『キャビン』、『ファイナル・ガールズ 戦慄のシナリオ』とかがタイプとしては近いかな

ロマコメ映画といえば、今となってはあるあるの宝庫
何か問題ある主人公が、運命的な相手と出会っていい感じになり、決別したけどまたいい感じになって結ばれるという流れは大体の作品に共通するし、後はエッセンス次第ってのもわかる
頭お花畑なキャラクターが跋扈して都合のいい展開になっていく、現実じゃありえないストーリーを俯瞰的に茶化していくのは面白い
ただ本作はそんな批判的な皮肉だけでできている映画ではない

割とよくできてるなと思ったのは、ロマコメへの皮肉ありきのコミカルな展開ながら、その実 あらゆるパーツが重なってロマコメ映画を形成していくという不思議な点
あれだけやっといてロマコメ賛歌な映画なんですよ

何故ロマコメ映画が廃れないかって言えばこの映画で示されてるんだよね
だってハッピーエンドっていいじゃん

ロマコメの世界と現実世界
そりゃフィクションみたいなことは起こらないけど、割とステキなことはその辺に転がってるのかもしれない
観ればチャキチャキのゲイの友達とか欲しくなること請け合い
エイデン

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