HisyST

テリー・ギリアムのドン・キホーテのHisySTのレビュー・感想・評価

4.8
後半ぐんぐんギリアムワールドに突入して、ギリアムの脳の中に連れて行ってもらえる。もう戻ってこられなくても良いとさえ思えるほど心地よい。感動作じゃないのにクライマックスでは涙があふれ、エンドロールは胸がいっぱいで、スタンディングオベーションの幻が見そうだった。
夢なのか現実なのか、仕掛けなのか偶然なのか、分からないままでいい。
「映画史に残る呪われた企画」と謳われるほどの開発地獄を乗り越え、19年間で9回も頓挫して、構想から30年もかかって、結局2017年にたった3ヶ月で撮り終えたという、監督自身がまさにドン・キホーテという気がする。
未来世紀ブラジル好きにはたまらない、「燃やされる過去たち」がクライマックスか。
リピート必至。
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