もう本当にどうしてくれようかってぐらい退屈でつまらなかったじゃないすか、デヴィッド・エアー版スーサイドスクワッド。
おれは単純なんで画に金かけてる映画をI'MAXで観ればだいたいなんでもそれなりに満足しちゃうんだけど、ただただガッカリした。
そんなスーサイドスクワッドのリブートの一報を聞いても何にも心が動かなかった。けど、監督がジェームズ・ガンと聞いたらテンションが上がった。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で一躍世界的な知名度を得てこの時も嬉しかったし、『トロメオとジュリエット』『スリザー』『スーパー！』からずっとその才能とセンスを評価してきたから。トロマ映画出身の男がよくぞここまでメジャーになってくれたもんだよ、と笑
それと名前が似てて出てきた時期が被るもんでジェームズ・ワンとも比較されることが多く、ワンの卓越した現代感覚のあるショック描写と比べてガンは昔のホラー、スプラッターを引きずり過ぎてダサいみたいなことを言われたりして、格下的な評価されてたけどガーディアンズ～のヒットでワンにはこんなアメコミ映画の傑作は無理だろうとなり勝ったと思ってたけど、マルチな天才のワンは『アクアマン』という大傑作を物にして、やはりワンには勝てねえか、と思われた時にこのスースク（ザ・スーサイドスクワッド）が完成した。
さて、このスースクは『アクアマン』を凌駕することができるのか？
まあ、客観的に評価するとやっぱり『アクアマン』の方が出来はよかったと思う。でも、どっちが好みかと言うと圧倒的にスースクだよ！
これはジェームズ・ガンの作家性が大好きで、そのガンの個性が遺憾なくこの映画でハイレベルに炸裂していたから。
ガンの作家性で大きいのはやはりゴア・スプラッター、それもトロマ印の悪趣味で陽性で笑えるやつ。
血は豪快に流れ飛び散るし、手、脚も首もスパスパ千切れる。内蔵もデローンと飛び出す。露悪的な切株ゴアが小気味良く出てくる。それも全部ギャグと連動してるからグロいけど愉快😂
メジャーアメコミ映画でここまでゴア・ネチョグロを叩き込んだ映画は他にないと思う。『デッドプール』もかなりスプラッターだったけど、ネチョグロまではなかったし笑 ガンのトロマ魂に感動した。
そして、ガンと言えばガーディアンズ・シリーズで見せたはぐれ者たちの美しい友情。これもスースクでしっかり画かれていた。制御不能のイカれた面々が話が進む中で徐々にあ互いを理解していき信頼関係を築く過程がリリカルで感情にビンビン訴えてくる。バカでイカれた狂的な変人にしか見えなかった連中がドンドン愛おしくなってくる。
これも見事だった！
このイカれたキャラの設定がうまい。エアー版はここが弱くて、制御不能のイカれた極悪人と言いながら、その辺のヤンキーぐらいのあぶなさしかなくて、「こいつら野に放ったらどうなるんだ！？」ってスリルが皆無だった笑
ガンのスースクは出てくる連中のヤバさが想定外でみんなベクトルは違うけど、「こんなのをフリーにしたらカオスになる((ﾟ□ﾟ;))」「チーム行動でハードミッションなんで無理だろ！！」と感じずにはいられない不安とワクワク感を与えてくれる。
コミュ障のマザコンの殺人マシーンや手足の生えた人食いサメ🦈に鼠を操るスタンド使い🐀とか、よくこんなおもしろキモいキャラを考えたもんだと思ったよ。原作にあるのかな？
アウトロー達が世界の命運を握るハードミッションに挑む痛快で王道のアメコミアクション活劇を自身のクセの強すぎるセンスで染め上げたジェームズ・ガン。やはり凄い男だ！ジェームズ・ガンの映画観てきた人なら分かってくれると思うけど、全ての要素が注ぎ込まれてる。集大成て感じかな。
しかし、ここまでガンが好きなようにやれたのはDCはマーベルみたいに監督をコントロールしようとせず好きに撮らせてるような気がした。『ジョーカー JOKER』もそうだったけどレイティングに引っ掛かることを避けるより作品の芸術性や監督の個性を優先させてるように感じた。どっちもマーベルみたいに各々の作品のカラーを統一しようとする意図を感じない。
今までマーベル派だったけどDC派に寝返ろうかな？マーベルはディズニーに買われた以上ディズニーの銭ゲバ体質と映画の崇高なメッセージ性がどんどん乖離していくのは目に見えてるし。
そう思わせるぐらいスースクには大満足なんだけど、ハーレクインだけはイマイチだった気がする。エアー版ではかなりアイコニックでキュートに撮れたけど、なんかタフでポップに撮れてて悪くないんだけど何か魅力が減った気がした。それはエアー版がハーレクインしか見るとこがなかったからそう思うのかもだけど、あと、早々にトレードマークのホットパンツ姿じゃなくてドレスになってしまったのもあるのかも？まさか、露出減ったから魅力が減ったと感じたとか！？ミソジニーだな、だとしたら、、反省しないと🥺
