もり

世界で一番ゴッホを描いた男のもりのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

20年間ゴッホの複製画を描き続ける中国人男性を追ったドキュメンタリー。

ゴッホの原画を観に行きたいという夢のために、安い月給からなんとかお金を工面しパスポート・ビザを取得しアムステルダムに飛ぶ。
アムステルダムの自分の得意先に向かった際に、得意先は画廊ではなく土産物屋だったと知ったときの彼の表情とタバコをふかす姿には苦しくなる。アムステルダムの街並みをあんなに楽しげに見ていた表情とのギャップ。。
フランスにも向かい、ゴッホの原画が展示されている美術館・アルルの病院・ゴッホの絵に描かれていたカフェ・ゴッホの墓にも訪れる。ゴッホの足跡を辿るヨーロッパ旅行の中で、彼のこれまでの20年間がぐらぐらと揺らいでいる様子に、また苦しくなる。

最終的には、彼が"芸術家"の道を新たに模索していくことを決断し、オリジナル作品を描きはじめたところで終わる。
衝撃的な場面が多く心が揺さぶられたのに陳腐な感想しか残せないのがもどかしいのだが、彼らが自分の描きたい作品を今でもたくさん描いていらっしゃればいいなと思う。
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