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名もなき野良犬の輪舞のxavierのレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
4.5
果てなき絆は、やがて無慈悲な雨を降らす…
犯罪組織のトップを目指す服役囚のジェホは、刑務所に入って来た野心家の
ヒョンスと出会う。自分以外の人間を信用せずに生きて来たジェホだったが
ある日ヒョンスが彼を強襲から救い、二人の絆が深まる。彼らはお互いを信頼し合い、出所後に協力して組織の乗っ取りを図ろうとするのだが…
ストーリーはこんな感じ。
今回のソル・ギョングはちょっと違う
今回演じるジェホは、時には仏の様に慈悲の顔を見せたかと思うと、ある時には悪魔の様に無慈悲な顔を見せる。
まぁ、無慈悲な顔はよく見ているが、やっぱ凄いよね。
刑務所内で、自分を殺そうとした敵に熱した油をかけじわじわと痛ぶっていく姿は常軌を逸しているとしか見えないしね。圧倒的なカリスマぶり!

そして彼の相棒となっていくのがヒョンス。彼は実は潜入捜査官でジェホに接近するために、刑務所に入ってきたのだ(予告編でヒョンスが刑事だと明かしているシーンがあるので、これぐらいのネタバレはいいかな)。
ヒョンスはジェホと過ごすうちに、信頼し魅入られて行く(事故に遭って亡くなったヒョンスの母親の葬儀の為に葬儀のお金を出したり、刑務所から外出という名目で葬儀に行かせるんだから
やっぱ信用するよな)。

でヒョンスの出所後、二人は協力して組織を乗っ取ろうとするんだけど…
まぁ、ここまではありがちな話(ジェホにヒョンスが刑事だと言っているところは違うけど…)
ここからの展開が凄かった!
まさかヒョンスがあんな事を…
伏線があったから、何かしでかすとは思っていたけど。
だけどヒョンスの心境は解る。
自分を送り込んだ上司は、ヒョンスの事なんか考えず、ただ手柄が挙げたいだけのクソみたいな奴だし、ジェホはヒョンスにあんな事を隠していたんだから。
まぁ、それにしても衝撃的なラストだよね。
そして、他の韓国ノワール作品とは感じが全く違う。でも、こんな終わり方嫌いじゃないな…
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