わたふぁ

ジョンベネ殺害事件の謎のわたふぁのレビュー・感想・評価

ジョンベネ殺害事件の謎(2017年製作の映画)
3.3
〇〇です。ジョンベネ・ラムジー役のオーディションにきました。誰がジョンベネちゃんを殺したか知ってる?
---(事件当日の再現VTR)---
父ジョン役を希望する〇〇です。この前まで服役していて出所したら俳優になろうと決めていました。
---(事件当日の再現VTR)---
刑事役を希望する〇〇です。昼間はバウンティハンターをしていて夜はSMプレイなどの指導をしています。
---(事件当日の再現VTR)---

というような構成で話は進む。遺族3人の他にも刑事や容疑者などの役があり、それぞれの役に数人ずつ候補者がいて、1人に絞られてはいない。制作側は最後まで絞る気はないみたいだ。
地元住民から選ばれたらしいキャストが、21年前のジョンベネ事件に対する自由な見解を述べていて、その発言をメインとしたドキュメンタリーであって、謎に迫るものではないので、邦題の「ジョンベネ殺害事件の謎」は少々トンチンカン。原題の“Casting Jonbenet”のCastingの意味を少しは汲んで欲しかった。

母パッツィーと父ジョンが一つの部屋の中に複数人ずついる光景は、桃太郎・犬・猿・キジ・鬼が5人ずつ出てくる近頃の幼稚園の桃太郎のようで、「脳内ニューヨーク」のクライマックスのようでもあって、とにかく異様だった。

ラスト、ジョンベネちゃんが綺麗なドレスを着て家の中からステージのような場所に羽ばたいていくシーンは、皮肉にも“ジョンベネちゃんは家に居ながらにしてミス・アメリカよりも有名になった”という意味が込められているのかなと感じた。