回想シーンでご飯3杯いける

パーフェクトワールド 君といる奇跡の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.0
「湯を沸かすほどの熱い愛」や「トイレのピエタ」での熱演が素晴らしかった杉咲花が出ているという事で鑑賞。良く考えてみたら、この子は障害者や病人を励ます役が多い。確かに、彼女のちょっと周囲が引いてしまうぐらいの生命感に満ちた熱さはとても魅力的だ。

今回は密に憧れていた高校の先輩と再会したものの、その時、彼は下半身不随で車椅子に乗っていた、、、という話。高校時代と現代を行き来する前半の構成は、韓国や台湾の映画を思わせ、じっくり落ち着いて鑑賞できる良質なドラマといった趣き。

ただ、物語が進むにつ入れて優等生的な台詞や、ステロタイプな登場人物が気になってくる。ピアノの美しい音をパラパラと散らす音楽も、あまりに典型的。

原作は漫画らしいのだが、同じように優等生的だったのだろうか。映画化に当たり、グロテスクな描写や葛藤を省いてしまったように思えなくもない。ストーリー自体は悪くないし、僕が目当てにしていた杉咲花の演技も相変わらずパワフルで申し分ない。何とももどかしさが残る仕上がりだった。