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Groovyの8637のレビュー・感想・評価

Groovy(2017年製作の映画)
4.3
2回目。全く上手く言えてないので、飛ばしてください。







"NO MUSIC NO LIFE"なら音楽があればそれだけで人は生きていけるのか...
ファーストカットでまず、"今泉力哉"としての「自殺」というテーマに対しての心意気を宣言しているように感じる。

そこからの気怠い感覚。そして鮎太の"理解できてないの丸出し"な返し。暗転が来てしまえば「暗黒面くるぞ...」と期待してしまう構図。
その涯てで行われる演奏は、訳の分からないものでありながら美しく、だだただ鳥肌。
しかし、それに没頭してしまい、本質を忘れて...

そして、この映画でいう"境目"とは何なんだろう。
モキュメント映像から見えるのは神崎の異常性と鮎太の理解不能さ。それを裏切るのは、異常性を帯びた鮎太をただ映す内蔵カメラ。それにアイデンティティを受ける"虚構映像"。それが爆発するモキュメント映像。
初見の時はこんなこと考えていなかっただろうな。今でも上手く言えないけど。

「性交渉の交渉」シーン(笑)は秀逸だが、もちろん強姦は善くない。エクスタシーとはかなり違法なんじゃないかと思ってしまう。
誰にだって自由に生きる権利が保証されていて、逆に言えば自意志で自殺も可能だという事だ。
という事は、神崎の"自殺を止めよう"という想いは何なのだろう。残されるのが嫌な人々の、儚き代弁者なのだろうか。変な解釈だけれど。

神崎が今泉力哉じゃなかったら、きっとここまでハマっていなかったと思う。映画監督として特殊な視点から映画を支えようとした時に、あんな演技が生まれる、のか。

モキュメンタリーではつくるのが難しい衝撃的な空気感を感じ切った。そしてブツ切れのエンディング。
ここまで「生」を体感した映画も久々だった。
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