Kota

女と男の観覧車のKotaのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
3.9
“今まで雨は嫌いだったけど、あなたに出会って変わった。”

ウディ・アレンの映画を休日の昼下がりに観るのが、なんか贅沢な時間を過ごしている気分になれて好きなのです。今作もドロドロなストーリーを上書きするようなカラフルなショットやお洒落な音楽。50年代の遊園地が舞台で、メリーゴーランドや射的の音、人々の笑い声やネオンランプが不思議な世界観を作り出す。

その完璧な背景に、ケイト・ウィンスレットが“タイタニック”の時からは想像もできないほどの年増のヒステリック女を怪演。ラスト5分のワンカットは息を飲むほど。顔に当たる光の色が感情の起伏に合わせて赤、白、青と変わっていく表現技法が素晴らしいよ。遊園地というロケーションを最大限に利用。

この作品然り、“ミッドナイトインパリ”然りウディアレンは「雨の日」を美しく映す事がすごく上手い。だからこそ“レイニーデイインニューヨーク”は滅茶苦茶楽しみだった。監督自身の問題はともかく、映画は変わらず素晴らしい訳だし、ポシャらせないでほしかったな…。
Kota

Kota