アズマロルヴァケル

リムジンのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

リムジン(2016年製作の映画)
3.2
説明不足だがやっていることはわかる難しい映画

授賞式に行くためにリムジンに乗ろうとしていたアマンダ。スピーチの練習をしようとしていると何故か出世作の
インタビュー映像がモニターで流れる。運転手に応対を呼び掛けるが、通じない。やがて、映像が途切れるがそこに謎の男性とみられる音声が車内から流れ、アマンダはこの謎の男性とみられる人物から車内に監禁されるという話。


見ていただいたら分かるが、実はワンシチュエーションもので本編は車内と屋外の湖付近以外は殆ど見せ場となるロケーションはなく、それ以外ロケーションがあるとしたらリムジンに乗る前の自宅付近だが、そこは特に物語上関係のない場所であり、車内と湖付近が中心となります。

で、どちらと言えば外れ映画っぽい作りであり、カメラワークやラストシーンでほんのちょっと映像が暗いところ、更に回想シーンが挿入されていないといったちょっとインディーズ寄りの映画に近い感じで観る人を選ぶ映画ではあります。


しかしながら、よく映画を観ると表向きではアマンダと同じ女優だがアマンダとは対照的に意欲的な女優が転落してB級パロディ映画に出てスタッフにこけにされて慰みものになり、おまけに病気で余命宣告を受けた女の復讐劇だが、シーンをよく観ると後半の犯人の女優の登場シーンとラストシーンのアマンダの退場シーンが同じところだった点や犯人の女優がアマンダ役とおなじかつ一人二役といったことからこの映画はアマンダという干されそうな三流女優と犯人の女優との対比を表現しつつ、未来のアマンダ?が警告しにやってきたのか?といった風にもあながち推測したくなる作りではあるのだ。

なんせ、あの犯人の女優の格好がアマンダの出世作の格好で杖をついてヴォルテモート卿みたいになっとるのだから犯人に同情したくなりますよ。