アズマロルヴァケル

マリオネット 私が殺された日のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.7
衝撃のラストで考えさせられる映画

・感想

実在の事件をモチーフにしているものの、サスペンス・ミステリー 映画としては予測不能な展開もあり、なおかつどんでん返しがあったのでとても楽しめました。その一方で性犯罪に関わった未成年が重罪にされないという問題提起もされていて、とても良かったです。

実話ベースの映画として良かったのは映像で表現するうえでソリンが男性たちによってわいせつな行為をされるシーンが生々しく描かれていなかったところです。もしあのシーンを生々しく見せていれば、当時の事件の被害者はまたあの日のことを回想し、精神的に辛かったのかもしれなかったので、きちんと配慮をしていたところは良かったですね。

その一方で、前半でソリンがジノたちにレイプされるシーンで、ジノの知り合いとみられる男たちの見た目が不快で気持ち悪い。その男たちはパンツ一丁に頭にストッキングといういかにも変態らしい格好をしていたので、男たちの格好だけは生理的に嫌な感じにさせてくれるシーンではありました。

そして、クライマックスでソリンを脅迫した『マスター』の正体が明らかになるのですが、それがソリンの関係者でも警察でも新聞記者でもない意外な人物であることに素直に驚かされました。『マスター』の正体は実は中盤で少しだけその人物がアダルトサイトを観るシーンが挿入されているので、オチは途中から読めるかもしれないけど、その人物が何も罪もなくソリンの周りの人間を動かし、ゲーム感覚で犯行を行っていたことは非常に恐ろしいです。

ということで、『未体験ゾーンの映画たち2019』のなかではかなりの当たり映画だったのではないかと思いました。最低でも男女問わずオススメできる韓国のサスペンス映画です。