HomareKarusawa

JUNK HEADのHomareKarusawaのレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
4.0
優れたホラーは時代の恐怖を反映する。
少子化。
草食化・恋愛の忌避。
倫理なき科学の発達と社会にラジカル・フェミニズムが浸透して行き着く先は「“生殖”が否定された世界」なのではないかという恐怖。

JUNK HEADの世界は「去勢」のディストピアだ。
主人公は頭だけになった人間。もはや生殖能力はないが、内面は普通の男性であるのがひどく哀れ。その彼が冒険の末、マリガンの「少女」を守るため戦うことで、「命を繋ぐため自己犠牲を厭わない心」すなわち「男性性」を取り戻すのである。泣ける。

その他、面白かったところ。
・序盤、話がどう転がるか分からない宙ぶらりんな状態が続き、このシーン要る? なところもあったが、あとから思えば楽しい旅の珍道中だった。黒い三人組との絆を深める場面でもあるし。
・女性はすべて赤い服。だとすると最初の方にでてきたナースは男の娘なのかな。
・クノコ採取シーン。痛そー!
・エンドロールの曲が奇妙でこの作品にピッタリ!
・メイキング場面が映ったのも嬉しい。
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