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ハッピー・デス・デイのGreenTのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
2.0
見事に「可もなく不可もない」映画だった。「スラッシャー・コメディ」映画とカテゴライズされているが、笑うところもなければグロもない。しかし、最後まで観れるし、下らなくて腹が立つということもない。

主人公のツリーという女子大生が、自分の誕生日に何度も死ぬのだが、3回目くらいまでは現代のアメリカのアホな大学生たちの実態が良く分かって面白い。

殺されては目を覚ますのは、いつもカーターというイケてない男の子の部屋なのだが、3回目の時カーターに相談すると、「何度でも殺されて、犯人が誰だか突き止めるしかない」と提案される。

この時カーターは、昨夜ベロベロに酔っ払ったツリーをお持ち帰りしたが、自分は別のベッドで寝たと言う。「だって君はすごい酔っ払ってて、ジャニス・ジョップリンみたいに自分のゲロで窒息して死んじゃうんじゃないかと思った」って言うんだけど、イマドキの大学生がジャニス・ジョップリンのレフェレンスなんて出すか?!って思った。ちなみにジャニスはヘロイン・オーバードースで死んだんで、ゲロで死んだのはジョン・ボーナムだよ!と思ったけど、イマドキの大学生だからその辺曖昧なの?そこがリアリティなの?

このカーターって子は相当ヲタクと言う設定なのか、部屋に『ゼイ・リブ』のポスターが貼ってあったり、ツリーが誕生日を何度も何度も繰り返すことを「『恋はデジャブ』みたいだね」って言って、ツリーに「なにそれ」と言われる下りとかもある。

実際この映画は、『恋はデジャブ』と『スクリーム』のハイブリッドと言われていて、殺人鬼が被っているお面は、『スクリーム』のお面を作ったのと同じ人だそう。

私は結構プロットとか筋が通ってないとムカつくタイプなのだけど、この映画に関しては「多分そこはポイントじゃないんだろうな〜」と思って観ていたので、気にならなかった。「なんでわざわざ暗い道に行くんだよ!」とか、「こんなにギャーギャーわめいているのに、誰も来ないなんておかしい」とか思うんだけど、これが多分「スラッシャー・ムービー」のお約束?歌舞伎みたいに「待ってました!」みたいなところなのかなと。

「ふーん」と思ったのは、全く怖くないし、グロくもないところだった。スラッシャーってくらいだから、グサグサ刺したりとか、笑っちゃうくらいグロいの見せるのかと思ってた。血糊さえあんまり使っていなかった。予算がなかったの?(笑)

あと、あまりにバカバカしくて笑えるのかと思っていたんだけど、それも特になかった。

脚本書いた人だったと思うんだけど、『恋はデジャブ』みたいに、同じ日を繰り返し生きなくちゃいけないことを受け入れた主人公が「ちょっとだけ成長する」みたいな話にしたかったって言ってて、ツリーという女の子には家庭の問題があったり、だらしない生活をしていたり、とか一応キャラ設定はあるのだけど、これもかなり「定番」でなんの感動もないんだけど、かと言って「バカやろ〜」みたいにムカつくこともなく、つまらない映画でもないけど、面白いとも思わない、なんとも不思議な映画だった。
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