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バーニー・トムソンの殺人日記のblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.7
ロバート・カーライルが監督・主演のクレジットに牽かれて鑑賞。

カーライルと言えばトレンスポッティングのベクビーが一番有名だけど、フルモンティーのダメパパもよかったし。ケミカル51のダメ男もうまかったよね。ダメと言えばベグビーも暴力大将系のダメ男だし笑 とにかく色んなタイプのダメ男を演じられるダメ男のスペシャリストなんだよ笑

で、監督・主演のこれでもやっぱダメ男を演じてる。自分の持ち味よくわかってるんだね笑

今回は50才独身のブルーカラー向け床屋の雇われ店員。床屋なのに客との会話が嫌い、基本無口。そして自意識がめっちゃ高いから労働者の人を軽蔑してんだよね、「あいつらボクシングと女の話ばっかでうんざり」みたいなモノローグが入ってる。しかし気が小さいから態度には出さない。
これだけでもダメなのにおまけにけっこうなマザコン。

タイトルに殺人日記とあるけど、こんな使えない草食系の小動物みたいなバーニーに殺人なんてできるのかしらと思う。
でも、殺っちゃうんだよね。これがなんと言うか何かにつけ人畜無害でオロオロしやすい人が殺人をおかす場合このパターン多そうだなってやつで、それをナンセンスにおもしろく画いてる。
日本でもあるね、おマヌケ犯罪者特集のとかに取りあげられる系。そんな大それたつもりはないのに右往左往してたらすげぇ犯罪やっちゃいました系のやつ笑

言ってしまえばコーエン兄弟のファーゴ的な犯罪不条理ブラックコメディーなんでバーニーを見通しの甘い小心者したのは必然なんだよね。でも、それならマザコンの設定要らなくね?と思うんだけど、実はこのバーニー・ママが話の中で重要な役割を担ってるんだよ。
特にバーニーのプライドの高さに反して持ってる劣等感の強さ、自己肯定感の低さ、彼の人格形成に母親の影響が大であるてことが印象的に画かれてる。この母親がこーゆー人じゃなかったらバーニーは違った大人になってたんじゃないかと思わせる。
それだけじゃなくてストーリーのキー🔑的な存在でもある。そこは見てのお楽しみてことで笑

基本的に貧乏で鬱屈したおっさんの話なんでトーンとしては暗くてオフビートなんだけど、話の展開がブラック・コメディーなんで楽しく観れたよ😂
他にも事件を追う刑事で笑えるキャラいたり。特に私は優秀でできる女よ!的にイキるけどマト外れを連発する女刑事とか。
それと主にバーニーを追い詰めるおっさん刑事、こいつもバーニー並みの鬱屈を抱えてて、また違ったベクトルを持ったダメ男なんだよ。
ダメ男VSダメ男映画と言えなくもないな笑
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