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クワイエット・プレイスのHrtのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.5
冒頭、無人と化した町のスーパーマーケットで音をたてずに物資を調達する一家のシーンだけでこの映画を好きになってしまった。
アバンタイトルのショッキングな出来事、その後のシーンでも、登場人物たちが置かれている状況への説明が一切ない。
テロップでもモノローグでも、言葉での説明に頼らないことで全編に渡って圧倒的に少ない音数と共に映像に緊迫感が与えられている。

この映画を劇場で体験できなかったことを心から悔やむ。
劇伴も全く無いことや劇中の生活音すら殺している異常な圧力に、果たして劇場で向き合って耐えられただろうか。
音を立てるモノを片っ端から襲うクリーチャーのビジュアルのおどろおどろしさ。
その身の毛のよだつ造形美に心奪われてしまう。
アレらがどこから来て何を目的としているのかということに意味はない。
とにかく音を立てられない状況を作り、サヴァイブするためのアイデアを捻っていく。
一件落着もしないまま一筋の光明だけを頼りに戦いに身を投じる。
その瞬間に終わる潔さも良かった。
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