Hrtさんの映画レビュー・感想・評価

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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.7

映画館で観て配信されてからも何回か観た作品だった。好き嫌いは関係なくデヴィッド・フィンチャーをデヴィッド・フィンチャーたらしめる仕事術を語るドキュメンタリーフィルム(フィンチャーはデジタルで撮るけど)>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.1

圧倒的に人を惹きつける佇まいをしているジェイコブ・エロルディ演じるフィリックスについてバリー・コーガン演じるオリヴァーがモノローグするオープニング。この時点で煌びやかな私生活を謳歌するフィリックスへの>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.2

クソミソに貶されていたので怖いもの見たさの鑑賞だった。というのもあってそれほど悪く感じなかったが、やはりウルトラマン同様に映画向きじゃないなという感想になる。
まずSHOCKER幹部を1人ずつ倒してい
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.9

今泉力哉脚本独特の間合いと気まずさがよく演出されている、かつ城定作品の淫靡さも際立つ脚本で両者のバランスがとてもよく表現されていた。
河合優実演じる岬の残酷なまでの一途さは周りを巻き込み、それによって
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.5

筋肉スパイファミリーカーアクション超大作と化して10年以上のこのシリーズもいよいよ佳境を迎えた。題して『Fast X』だが次の第11作『Fast X Part2』で終わる予定だったのが3部作になるかも>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.6

シリーズ最後?にしてついに『ロッキー』から独立した作品になった『クリード 過去の逆襲』だが、主演のマイケル・B・ジョーダンが監督も兼務することによってシルベスター・スタローンの姿を追う形になっている。>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.8

前作はおろか阪元監督の作品をひとつも観たことがなかった中で本作を鑑賞したが、万人が楽しめる超娯楽作と同時に日本のアクション作品においても高次元な最高の映画だった。
ジョン・ウィック以降のソリッドなガン
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.7

相反する関係の組織が1人のシリアル・キラーを追い詰めるというプロットにはシリアル・キラーの方がすごいんじゃないかという感が観ててあったものの、法の瑕疵を突こうとする最後はまた違った問題提起としても機能>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.6

稀代のシェフ・スローヴィクが考え抜いたであろう渾身のフルコースが選び抜かれたゲストたちを巧妙に追い詰めていく様子が毒で満ち溢れながらも進むごとに痛快さを増していく。
レイフ・ファインズはシェフとしての
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.6

映画のあまりの圧倒的なクオリティに膝から崩れ落ちたが鑑賞後数日経ってから驚愕の事実に自ら気が付いてしまいその場で絶叫してしまった。
本筋とはズレるが『THE FIRST SLAM DUNK』は公開前に
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.1

「線を引く」という行為から映画の主題を定義する小泉監督の眼差しにやられてしまった。
あらかじめ観客に明示するように湖峰が迷える霜介に「なるんじゃなくて、変わっていくもの」という言葉をかける。
これは人
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.8

ガリレオシリーズはテレビドラマと映画とでトーン&マナーが全然違うのがいい。
ながら見されるテレビでは物語の展開やカットに性急さを求め視聴者を飽きさせない工夫が感じられる。
対して『容疑者Xの献身』から
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.0

大海賊時代の暗部から生まれたウタという偶像を巡るストーリー。
彼女の力により聞く者を強制的にウタの世界へ引き込む様子はアートがファンダムによって全体主義化していく危うさを想起させた。
その全体主義にル
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映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.6

劇中でドブが放った言葉がこの作品を端的に表している。
「事実なんてそれぞれの心の中にあるんだ」
芥川龍之介『藪の中』のように登場人物の供述によって『オッドタクシー』全13話を再構成する演出は良かった。
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恋は光(2022年製作の映画)

4.3

「前にカップルが座ったら最悪でな。画面が光で見えんのだ。」というセリフに思わず笑ってしまった。
恋する女性から光が見える、といういかにも少年誌らしい特異能力を持つ西条だが、そのギフテッドとは裏腹に恋を
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.7

ストレンジとマルチバースをどう結びつけるかは前作でダーク・ディメンションが出てきているし『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』もあったのでそれ絡みかと思いきやある日突然次元を行き来できる少女と出くわ>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.0

始まりの説明書きのスクロールが『スター・ウォーズ』だな、と思った。IMAXで鑑賞したのでバックで流れる低音の不穏な響きに内臓が揺れる。
クロエ・ジャオ監督らしいショットが随所に見られ、しかもそれがMC
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ひらいて(2021年製作の映画)

4.5

年を越す前にこの映画についての所感を留めておきたい。
自分にとってこの映画は2021年ベストに並ぶものであり、さらにティーン映画としてオールタイムベストに入る一作だった。
すなわち、10代の無垢な傲慢
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

自分の古傷を抉られるようで観るに堪えない感情が押し寄せてくる。別に経験自体が傷として残ってるわけではなくこの話も誰しもに当てはまる共感装置として機能するのみに留まっている。けどこれを2時間、スクリーン>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.8

長い映画だった。
アヴァンタイトルと呼ぶにはあまりに冗長な冒頭の回想とイタリアでの優雅なシーン。
延期に次ぐ延期で幾度となくリリースされた予告編の見せ場の大半がこのイタリア、マテーラでのシークエンスで
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生きちゃった(2020年製作の映画)

3.8

不倫現場を目撃したことは自分の人生には無いが厚久が奈津美に対して怒ることもできないあのどうしようもない感情の行き場の無さは痛いほど伝わってくる。
かなり辛い作品だった。人間の深い部分とでも言えばいいの
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.4

スクリーンから匂い立ってきそうなほど実録感に満ち溢れた前作に引き続き東映映画のそれを踏襲はしているものの、よりエンターテイメントなアクション映画といった出立の『孤狼の血 LEVEL2』である。
大上の
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初恋(2020年製作の映画)

3.1

来ました!三池崇史演出のバカ映画!
クビがちょん切れる冒頭でこの作品のトンマナを確信してしまった。
真面目にやるのは序盤の人物説明くらいで、一頻りそれが終われば後はジェットコースターのごとく怒涛の(ア
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るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

3.9

佐藤健史上最強の映画&大友啓史監督最高傑作!
『The Final』とはなんだったのか…と前作鑑賞後、すっかり陰鬱な気分になっていたがなるほど。『The Beginning』への壮大なフリだったのか。
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.6

ゴジラとキングコングじゃサイズ合わなくない?と思ったのが4年前くらい。
別に合わせりゃいいだけのことだった。
ただコングはまだしもゴジラに先祖がいるというトンデモファミリーツリーから始まりゴジラとコン
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.3

ブラック・ウィドウがレッドルームで訓練を受けたスパイの総称だったと本作で初めて気づく。
彼女たちは支配者による抑圧の対象。
女性ヒーローによるフェミニズムを大々的に表出させた作品になったが、この流れは
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.8

電脳空間描写!!細田守だ!!と細田作品苦手にも関わらず飛びついて公開2日目に鑑賞。
『サマーウォーズ』よりもずっと前、『デジモンアドベンチャー』を脳裏によぎり、中村佳穂が主演声優&歌を務めるということ
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.9

この作品を観ると映画館は音の効果こそ最大限に引き出す場所ではないかと考えたくなる。
その中にはもちろん「無音」という音も含まれる。
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』その冒頭は前作よりもずっと前
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クルエラ(2021年製作の映画)

4.1

ディズニーで『プラダを着た悪魔』でもやる気か?と思うような序盤、気がつけばディズニー版『ジョーカー』を観ていた自分がいた。
しかもそれがめちゃめちゃファッショナブル、ファビュラスそれでいてパンキッシュ
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.4

日本アクション作品の金字塔だと思う。
役者およびスタントマンたちが常軌を逸する熱量を注ぎ込み演じ切った役を、アクションをしっかり撮れる監督が練られた構図で完璧に画面に収める。
これは只事じゃない。
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ザ・ウェイバック(2020年製作の映画)

3.2

アルコール依存症の男が母校のバスケットボール部のコーチに就任することで人生を好転させていくストーリー。かと思っていたが実際にはそれほどサクセスストーリーでは無かった。
間違いなくベン・アフレック自身と
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.6

鑑賞後、何も残らないのが良かった。
今泉力哉作品は脚本もオリジナル脚本がいいのだけど、演出だけでも良い作品になることは『アイネクライネナハトムジーク』や『his』でも証明済みだ。
松坂桃李や仲野太賀は
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.3

ラブコメの皮を被ったメンタルヘルス映画。
完全に騙された。

のんのコメディエンヌとしての才は遺憾なく発揮され、ほぼ一人芝居の現場で彼女の煌めきがスクリーン全体を照らす。
中村倫也扮する(予告で声出て
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マルコム&マリー(2021年製作の映画)

3.5

「ありがとう」の言葉がなくても深夜家に帰ってきてチーズマカロニを作ってくれるマリーの懐の深さよ。
アメリカ人にとってスピーチって結構重要で、限られた時間で何人の関係者にお礼を言えるかゲームになってると
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

ルードヴィッヒ・ヨーランソンとクリストファー・ノーランのハマりの良さよ。
ヨーランソンといえばドナルド・グローヴァーやライアン・クーグラーとの仕事が代表的なところだが、ここに来て劇伴界の超大物ハンス・
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冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)(2019年製作の映画)

3.8

原作未読でアニメ視聴済み。
ここから台詞にも出てくる「正妻戦争」が激化するかと思いきやすでにメインルートに入っていて甘々な展開の数々。
と同時に同人ゲーム制作の大詰め。
ゲームを作りつつ物語のルートも
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