ゼルタ

四月の永い夢のゼルタのネタバレレビュー・内容・結末

四月の永い夢(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

かつての恋人の死から脱却できずにいる初海に一通の手紙が届き、、
ラジオ、手紙など今では私達にはあまり馴染みの無いものを配置する事によって過去=恋人の死の陰から逃れられていない初海が表現されているかなと思いました。

「わたしは光をにぎっている」でも感じた事ですが、中川監督の自然光の使い方が凄く好きです。窓から、空から降り注ぐ光を浴びているのに初海の顔はどこか曇っている、そんな対比も上手いと感じました。

やっぱり中川監督作品の雰囲気好きだな〜 元々詩人であった監督ならではこそ登場人物に多くを語らせずに映像で行間を読ませる演出は映画ならではでしょう。そして朝倉あきさんの過剰演出を抑えた自然な佇まい、どこか自分の気持ちに整理がつけていない主人公を演じるのにぴったりだったと思います。

楓や藤太郎の存在も重要です。彼らとの出会いを通じて着実に初海の時間が動き出し、恋人の実家に行く事で春から夏へ、初海が捕われていた過去から脱却出来たのだと感じました。
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