爆裂BOX

ドルフ・ラングレン ゾンビ・ハンターの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
ドルフ・ラングレン主演のオカルト・スプラッター・ホラーコメディです。監督は「ザ・コンヴェント」や「ラバランチュラ」のマイク・メンデスです。
タイトルには「ゾンビ・ハンター」とありますが、ゾンビは登場せず、登場するのは人間に憑依して殺戮を繰り広げる悪霊ですね。自己紹介でも「デーモン・ハンター」と名乗ってるし、そっちのタイトルで良かったのでは…
この悪霊は次々と人に憑依するという「悪魔を憐れむ歌」のような憑依型ですが、憑依した相手を殺した相手に憑依するという設定が面白いですね。まさに原題の「Don't Kill It」ですな。冒頭から悪霊を封じた壺を開けて憑依された犬を殺した男が憑依されて家族を皆殺しにして隣家に突入し、隣人たちを殺している最中に撃たれて今度は撃った隣家の主人が殺し始めるといういきなり死人出まくる展開で幕開けします。
ドルフ・ラングレンはこの悪霊を追う悪霊ハンター役ですが、今回は何時もの役と比べて優し目というか、バーで絡んできた酔っ払い軽くボコったりするけどそこまで痛めつけず諭して開放しますし、終盤で牧師に悪魔の使いと糾弾されて聖水かけられても「やめてくれないか」と穏やかに言いますし(その後ゴム弾で撃つけど)そして人間相手には強いみたいだけど、悪霊相手には吹っ飛ばされたりして全く活躍しません。使う武器も自作のネットガンだけですし。悪霊たちの蘊蓄は語りますが、結局最後まで戦闘では役に立ちませんでしたね。ヒロインのFBI捜査官が解決しましたし。悪霊の種類を語るシーンで「ザ・コンヴェント」のシーンワンシーンだけ使ってたのはちょっとニヤッとしました。
中盤での教会での虐殺シーンは本作一番の見所ですね。町民集会に殴りこんだ悪霊が斧やナタを使って次々と町民たちを殺戮していきますが、斧で頭部木っ端みじんにしたり、ナタで顔面割ったり、チェーンソーで腕を切ったりするさまがアナログ特殊メイクで表現されていて、80年代スプラッター感溢れるシーンになっていて楽しかったですね。次々と憑依された人を他の人が殺していって、数珠つなぎのように憑依していく所はちょっと笑ってしまった。
その後の憑依された少女がピョーンとFBI捜査官たちに飛び掛かって殺しまくるシーンも鹿の角に顔突き刺したりするゴアな殺戮シーンを小さな少女が行っているギャップが良かったですね。あの妹の方も殺されちゃったんだろうな。そして娘思いなお父さんはまさかの無駄死に…
終盤でも牧師が引き連れてきた町民たちが次々と死にまくりますが、ここでもショットガンによる頭部破裂のゴア描写がありましたね。憑依された牧師が自分の指喰いちぎって突き出た骨を武器にする所はちょっと「おっ!」となりましたね。
ラストでワンシーンだけだけどサメが出るとは思わなかった。あのサメが憑依されて悪霊つきザメになるのかな?
中盤ちょっとダレる所ありますし、ドルフ・ラングレンのアクション期待すると全然ないのでがっかりすることは間違いないですが、80年代風味のB級スプラッターとしては結構楽しめました。