サタデーナイトライブの布陣が腕によりを掛けて映画をつくったら、こんなにもあったかくて愛嬌たっぷりの幸福な作品が出来上がるのか、、。
本当の悪人は出てこない、楽しくてちょっと切ない“適応と再生”の物語でした。
モノを手で作る人に対する尊敬の意と、作る行為そのものを愛おしく思う目線が、この映画の真ん中にはあって、表方も裏方も含めてコメディアンという生き物の優しさが滲み出た作品だと思う。
心から何か一つの物事を楽しむこと。それ以外に人生でどうしてもやらなきゃいけないことなんてあるのかね、と思えてくるほど、主人公ジェームスは無邪気だった。
映画の内外ですべての物事が良い方向に運んでいて、父親役はマーク・ハミル以外に考えられないキャスティングだし、マーク・ハミルもルーク・スカイウォーカーの鎧から抜け出すにはこの作品しか無かったんじゃないか、と言っては過言だろうか。
特典映像のインタビューの最後に、企画・脚本・主演のカイル・ムーニーが「絶対、映画館で観てねーー!」と懇願していて、新作レンタルで見ていることを本当に申し訳なく思った。これほどまでに申し訳なく思ったのは久しぶりだ。