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赤色彗星倶楽部の8637のレビュー・感想・評価

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)
4.1
空いた口が塞がらない衝撃作。絶対に、誰も彼もの想像を超えてくる。
どの瞬間もエモーショナルな高校生活に感情が吸い込まれると同時に、SF的アクションと信じがたい出来事で揺らぎ、呆気に取られる。
高校生真っ只中でこれを観てたら、次の日に休んでいたかもしれない。しかもこれを大学生の監督が撮ったんだと...観たくないのにまた観たいあの感覚を久々に思い出した。

自分がまだ知らぬ高校生活というもの。どうしても全ての事象に、何の変哲もない美しさを感じる。ラーメンを食べる一瞬から、感情を見せ合いながら話す恋の話まで。モンテスキューが三権分立だってことは分かるけど後の二つはごっちゃになるよね、という共感。そのまま想いを押し殺してたらすぐに老いていくよ。それでも変えられない関係性。

感情でどうこうだけでなく、驚愕の撮影センスとキレッキレな編集センスも兼ね備えてるからカッコいい。観客は一緒にアガッて、最後は一緒に堕ちる。

手島実優が完璧な分、岩井俊二の空気感を買ったようなラストが素敵に見える。
エンドロールの途中で画面が真っ暗になった瞬間の恐怖が君に分かるか。
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