赤色彗星倶楽部の作品情報・感想・評価

「赤色彗星倶楽部」に投稿された感想・評価

Automne

Automneの感想・評価

4.0
愛すべき無意味で不毛な日々。部活に授業、帰り道、自転車、水道の蛇口から滴るしずく。青春の虚無。
彗星をつくること。何か大きな出来事が起こるのを心の底で期待していること。けれどもそんな人生にとって大きな出来事は、突発的で予想もつかないときに訪れてしまう。それは悲しいものである。準備なんて誰もできていない。薄暗い夕焼けのような色、記憶、寂しさ。discommunication.物事の不全。正しさとは?
ヒロインの表情が切ない。女優さんは美しい。青春の片鱗。誰かが心の奥底にしまって大人になるもの。それでもラストのセリフのように誰もは思ってしまうもの。誰もが何かを抱えながら模索し生きてゆく。
青春映画の傑作ですね。
ふっち

ふっちの感想・評価

5.0
とにかく、キャスティングが良かった。若さゆえの葛藤に溢れた作品。
yuki

yukiの感想・評価

3.9
通り過ぎるとタイムスリップができると実しやかに囁かれている、63.7年周期で地球に接近するという赤色彗星。文化祭の季節、世間がそんな未知の存在に対してちょっとだけ浮かれている中で、天文部の高校生男女が赤色彗星を観測するまでを描いたエモエモな青春映画。
主人公ジュンの幼馴染で剣道部のハナちゃんが可愛すぎる。城真也がクレジットされていた。韻を踏んでみたり抽象的でコンセプチュアルで文学的な会話が面白い。お母さんの「ただいま~」でのパンニングとか、ちょっとしたカメラワークや、感情が昂ったところで突如無音になるシーンがツボを付いてくる。城真也が出演、首藤凛が衣装でクレジットされていた。

これは、大学生が作った高校生の映画だ。

だから私は、高校生のことを思い出したのではなくて、大学生のときのことを思い出したんだと思う。映画を観ながら、高校生の時の自分より、大学生の時の、あの時の気持ちを思い出していた。じゅんちゃんの涙に、じゅんちゃんの哀しみに、大事なものを失って泣いた日々を重ねたりして。


これは、大学生が作る、高校生の映画だ。
高校生により近い、高校生活がまだ近い過去である者たちが、作った映画だ。じゃあ、随分と年を重ねた大人たちが作った高校生の映画よりも、近い分だけよりリアルなのかというと、そういうことでもないような気がする。記憶の集合体としての高校生も、それはそれで“リアル”だし、素敵なのだ。だから、どういう年齢の人が作っても、高校生の映画は成立するのだという結論に私は達しました。(あれっ!? それでいいのかな!?)


そして、この映画には、“俺たちの方が高校生をわかってるんだぜ”、といったような、すでに大人となった者たちへの反抗心とか、対抗心とか、挑戦とか、そういったところは、ない(と思う)。キャストの誰もが誠実に演じていて、とても優しい気持ちになった。製作陣の誠実さも確かに受け取った。高校生というフィルターを通し、現役大学生と、かつてそこを通った者とが、手を結ぶことのできるような映画だった。


ズンドコ応援します。


以下の台詞に、ズンドコつぼりました。今度使ってみる!

行こうよ行こうよ尾崎紅葉(byじゅんちゃん)

なにもやること内務省(byハナちゃん)
uneck

uneckの感想・評価

4.8
なんかいいカンジでした。
ワンハリと同じ気持ちになりました。
前半が本当に退屈で、彗星のSF設定とかクリシェでしかないものをひたすら映し続けるし台詞は人間の言葉じゃないみたいだし(まさに相米慎二とか大林宣彦的なものから生まれたんだろう)、サルトルとか出しちゃうあたりいわゆるインディーズやな……という感。強すぎる引用は本体を殺す。本気で信じてないことを表面的に描いているような違和感がずっとつきまとっていて、ただヒロイン二人の輝きと強さで持ってるような。でもその退屈さが終盤になってひっくり返った。
徐々に人物への親密さを手に入れてゆくカメラが何よりもまず嬉しい。おそらく順撮りだろうと思う。
ラストなんてまさに『涼宮ハルヒの消失』(『笹の葉ラプソディ』)でUFOを呼ぶシーンくらいの絵の強度があって、その感情のピークですっぱり終わることが凄まじいと思った。前半の雑さが惜しいけど、思えば薄ら寒さと隣合わせの不器用なセリフたちもぎりぎりのところで”あり”な感じに仕上がっているのが不思議でならない。実はかなり巧みな脚本なんじゃないかという気もして惑う……。
やっと見れましたーーーーーーー
FACE vol.3 Cプロ
なんてことない高校生の日常
剣道部のハナちゃん、天文部のしょうちゃんは幼馴染
ハナちゃんは天真爛漫で可愛くて、こんなん好きになっちゃうわ。
天文部は男3人、女1人の4人
途中まで恋っぽさ全然無いのに半ば過ぎたあたりから急に人間模様、空気が変わってびっくり。
あーーーこれからこの子達はどうなるんやろう。
9月22日はXデーで何か関係が変わってしまうんやろうか。
って色々考えてたんです。私の心はバキバキに折られた。
あまりにも急で、でもこういうことよね。予告なんかないもんね。
理由もハナちゃんっぽいなぁとか、剣道部員(先輩?)の牽制無視してたらとか、自分が言えてたら変わってたんやろうかとか、なんか色々考えてしまって。
悔しいなぁ、悲しいなぁ、切ないなぁ。
しょうちゃんの感情がリアルに伝わってきて。
多分私もハナちゃんのこと好きになってしまったからやと思う。
ハナちゃんとしょうちゃんの黄昏時みたいなシーンで涙が零れてしまった。
はーーーこんなお話しやとは思わなかった。
甘酸っぱい通り越して苦い。めちゃくちゃ苦いよ。青春の味って苦いんかもしれん。

しょうちゃんが私の好きなバンドマンにそっくりでかなり混乱しました…多分それで余計感情移入した気がする…
ずっとタイトルが気になっていたのですが、配信が微妙にニッチなサイトでしか見つからなかったのでスルーしてまして…。

早稲田大学の映研の卒業制作(?)だったんですね。知らなかったです。
まだデビュー直後の手島美優ちゃんが出演していて、キャスティングのセンスが光ってますね。

エンタメ性も兼ね備えつつ、作家性もしっかりと感じられる一本でした。

「海抜」もそうでしたし、少し遡ると「あの娘が海辺で踊ってる」もそうですし。
手軽に映画が観れるようになって、手軽に映像が撮れるようになって。
新世代の到来を常々感じます。

とはいえ配信環境には厳しい部分もあるので、自主制作映画にももっとアンテナを張っていかないとなと思います。
MOCHIWAR

MOCHIWARの感想・評価

3.8
ノイタミナ枠かな?とか思わせるような展開に少々困惑、サルトルを幼馴染に勧める彼に「マンスプゥマンスプゥ」とかゲスい野次を飛ばしながら鑑賞。不器用というか、まだ「言葉」という兵器を持て余している彼らの思い通りにいかないコミュニケーション、意思が言葉でなく行動に表れているのは観客である僕らが一番分かっている、というのは慢心かもしれないけど、愛おしい。

突きを得意?としている手島美憂の牽制には俺も唖然とするしかなかったけど、彼女だけが全てを分かっていたような素ぶりに最後まで期待させられてしまった。
eye

eyeの感想・評価

3.7
赤色彗星倶楽部(2017)

まさかまた劇場で観測できるなんて…
3年ぶりの赤色彗星到来。。。

『赤色彗星倶楽部』は当時ポレポレ東中野で1週間限定公開されていた

山戸 結希監督(ホットギミック/19・21世紀の女の子/18)が映画に寄せたコメントが

劇場公開回数とかけあわせて

「7回だけ赤色彗星がやってくる」

と表現されていたことを今でも覚えている

ポレポレで公開終了になったあと 同じように1週間限定でテアトル新宿の あのどデカいスクリーンにて公開されていた

今作は早稲田映画研究会(自主制作)による作品で撮影自体は2015年に行われていた

第11回 田辺・弁慶映画祭でグランプリを獲得し PFF2017でも入選してたり 数々の映画祭を渡り もはやインディー感をちょっと抜けたような

何ならホントの彗星のように

たまにしか出会えないレアな映画といえるのかもしれない

ちなみに

『また一緒に寝ようね / 15)』
『なっちゃんはまだ新宿 / 17)』

両作品で監督を務めた首藤凛 監督も「衣装」という形で『赤色彗星倶楽部』に参加している

『赤色彗星倶楽部』は

天文部メンバー内で盛り上がる60年に一度の赤色彗星の到来を前に同じ磁力を持つ彗星核を作ってタイムパラドックスを起こそうする青春SF群像劇

文化祭とも近い9月22日に到来する赤色彗星を前に彗星核を巨大化させるために部員は奮闘するわけだけど、、、

全体の雰囲気として

教室での他愛のないお喋りや授業中に似顔絵描いて生徒間で回したり

主人公ジュンとハナの幼なじみの恋模様とか天文部ジュン・カヨ・ヨシヤス・ハタケの4人の雰囲気とか

学生特有の器用さと不器用さのいなたい雰囲気があって

ダラダラした黄昏の放課後の感じも
瑞々しい記憶として綴じ込められている

>なにを忘れて大人になろうか

ジュンの幼なじみのハナが不慮の事故に遭い
居なくなり改めてジュンにとってハナはかけがえのない人であったことを認識する

恋愛モノにはありがちな設定ではあるけど
「赤色彗星」×「ハナ」の尊さが掛け合わされている

居なくなった彼女は巨大な彗星核を前に天文部メンバーの前に記念撮影の際に一瞬現れる

サブリミナル的なコマ挿入で
それがあのメインビジュアルの画

その後 赤色彗星がやってきてタイムパラドックスからのパラレルワールドが展開される

その世界ではジュンとハナが別の次元の中で会話するシーンが描かれる

喪失感の曲がり角も描かれ「寂しさ」と「儚さ」に加えた現実の先の忘却の世界において

ハナのセリフ

>(私を)忘れてもいいんだよ?

あれにはなんだかジュンと同じようにポッカリとした喪失感を追体験してしまう

>青春は、普遍的に平凡で、余韻だけが鮮やかだ

彗星の観測も重要だけど それよりも他愛がなくなんて事のない 平凡な日常こそ彗星のような はなやかさを持っている

というメッセージが作品に込められてる

劇中では あれよあれよと 彗星のようにハナは立ち消えて彼女はお星様になったわけだけど

きっと何年も胸に残り続けて輝く赤色彗星のように唯一無二の魅力が詰まっている

青春は瞬いて一瞬で消える彗星のように儚くてきっと忘れてしまうことの方が圧倒的に多い

だけどいつまでも心の中に残像として想い起こせる映画であることは間違いない

2020/6/1 追記

初演技とは思えないくらい素晴らしい演技で作品のポイント押さえてカヨを演じていたユミコテラダンスさんが急逝されました

いち鑑賞者としてここに哀悼を表すと共に表現者としてまだまだこれからもっと活躍されるはずだったのに残念でなりません

改めて御冥福をお祈りいたします
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