エイデン

BRAVE STORM ブレイブストームのエイデンのレビュー・感想・評価

BRAVE STORM ブレイブストーム(2017年製作の映画)
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2050年
突如 地球に襲来した“キルギス星人”は、巨大ロボット“ブラックバロン”を使い、地球を侵略した
ブラックバロンには地球の大気をキルギスに適したものに変える機能が備わっており、その大気の影響で人類の96%が死に絶えてしまったのだった
そんな絶望の中、高名な科学者 春日博士の5人の子ども達が立ち上がり、次元を超えた作戦を決行する
次男の光二は強化スーツ“シルバー”を装着するとキルギスの基地へと単身潜入し、ブラックバロンの設計データを盗み出すことに成功
キルギスの追っ手が迫る中、侵略を受ける前の時代にタイムトラベルし歴史を変えるため、装置を使い過去への扉を開く
激しい追撃を防ぐために残ると言う長男 光一と長女 ひとみに泣く泣く別れを告げ、光二は弟 光三と妹 はるかを連れて過去へと飛ぶのだった
2018年、東京
若き天才ボクサーとして知られていた紅 健は、夜な夜な友人と共に地下格闘技場で腕試しをしていた
その日 対戦相手として現れたのは、およそ格闘技とは縁も無さそうな冴えない中年男
不思議に思いながらも試合が始まると、その男は攻撃が一切通じず、コンクリートにヒビを入れるほどのパンチで健の命を狙い始める
止めに入った友人を殺され、健は何とか男を倒すも、その正体はキルギスが送り込んだサイボーグだった
観客にも紛れていたサイボーグ戦士ボーグや、キルギスの配下である“チグリス星人”も姿を現し、危機に陥る健を救ったのは春日兄妹だった
春日兄妹によって隠れ家に連れて行かれた健は、そこで5年前に行方不明になっていた兄 健一郎
混乱する健に経緯を語る健一郎は、5年前より春日兄妹と共に作り上げてきた人類滅亡に対する切り札があることを告げる
それは、完成を目前とした巨大ロボット“レッドバロン”だった



1970年代の特撮ヒーロー『シルバー仮面』と『スーパーロボット レッドバロン』を、コラボした上リブートしたSFアクション映画

2000年代から本格化していった、往年のヒーローを実写化orリブートする試みの波に乗った作品という印象が強い
ただ、ヒーローはハリウッドだけのものじゃないという気概を随所に感じる出来
キャラクターの人間性といった芯を描きつつ、古い設定を今風に再定義したマーベルやDCのヒーロー映画に対して、昔ながらのスタイルのままとにかくカッコよさだけを追求している様子
人間性やら世界観を掘り下げようとしてわけわからなくなった『デビルマン』、『仮面ライダー THE FIRST』、『ガッチャマン』といった作品とは対極のアプローチにも見える
監督はじめ様々な仕事を兼任した岡部淳也があれこれ口出しされやすい製作委員会方式を取らなかったことが影響してるのかな

全体の印象としても、古い作品を引っ張り出してピカピカに磨き上げたような雰囲気で、子ども向けの中身の無い活劇と言えばそれまで
ただ元デザインや設定を丁寧に磨き上げつつ、受け入れやすいカッコよさにまで引き上げてるのは面白い
戦隊モノでもお馴染みなビル群の中で巨大ロボットが戦闘するっていうのを邦画で観られる貴重さはある
昔ながらのスタイルっていうのも相まって、当時の作品を観ている人達にとっては、それこそ『アイアンマン』がスタイリッシュにスクリーンに登場した時のような感動はあると思う

アクションシーンとしてもキレのあるのがあって、シルバー仮面やレッドバロンじゃないんだけど、元太極拳選手の山本千尋が演じる春日はるかとか普通にカッコいい
フルCGで描かれるレッドバロンvsブラックバロンも、尺は短めだけど十分頑張りを感じる出来

2大ヒーローの共演を最初から行なっていることもあって豪華さはあるけど、キュッとまとまってる印象はある
ただこういう映画への挑戦はそれだけでも素晴らしいし、実際細かいところ抜きにすれば面白いわけで
何かラストには続編もできそうなサプライズもあるぞ
ザコのヤツとか言わない
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