maro

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのmaroのレビュー・感想・評価

4.0
2021年日本公開映画で面白かった順位:6/201
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

『007』シリーズ第25作目。
そして、ダニエル・クレイグ最後のジェームズ・ボンド。
優秀の美を飾りました。
今作はアクションよりもドラマ部分の方が印象深かった。

できることなら『カジノ・ロワイヤル』(2006)から観ておいた方がいいかなー。
最低でも前作の『スペクター』(2015)はチェックしておきたいところ。
それほど、ストーリー上のつながりが強い。
シリーズ初なんだよね。
同じボンドガールが2作品に渡って登場するのは。

そして、そのボンドガールことマドレーヌとボンドの関係がものすごく大事になってくる。
前作で彼女が語っていた過去も明らかになるし、ボンドが本当の愛を感じる話でもあるから。

そこが過去シリーズと比べると大きな違いかと。
ボンドって女性を抱きまくるけど、本気で好きになることはなくて。
それが、ダニエル・クレイグになってからは違うんだよ。
『カジノ・ロワイヤル』(2006)でのヴェスパー(エヴァ・グリーン)は本気で愛したし、それは今回のマドレーヌもいっしょ。
だから、単に任務を遂行するだけでなく、その裏では守るべき存在があるっていうのは大きい。

そんなマドレーヌが、実はスペクターとつながっているんじゃないかっていう疑念があるから、ボンド的には辛い。
愛する人が自分の命を狙う敵なんじゃないかってね。

そういう愛を前面に出した作りになってるからこそ、終盤でのボンドに訪れる悲劇はより一層の辛さを感じさせる。
ラストは泣いたよ。
このシリーズで涙したの初めて。

そのサフィンね、彼もまた壮大な野望を抱くキャラクターだった。
これまでのように巨額の利益や世界征服といった私利私欲を追い求めるというより、"人類の淘汰"を目指していたところが印象的。
ただ、前作のブロフェルドの存在感が強かったってのもあって、サフィンはそれと比べると薄いかなっていう気はしたけど。

あと今作の見どころと言えば、やっぱりド派手なアクションは外せない。
冒頭のカーチェイスやキューバのパーティーでの戦闘、終盤の銃撃戦はさすがだった。
キューバではアナ・デ・アルマス演じるパロマのアクションが美しすぎて鼻血出る勢い。
あんなこぼれ落ちそうな服装なのに、一切こぼれ落ちないのが不思議なぐらい(何が?w)。

それにしても、ジェームズ・ボンドの身につけているものは、相変わらずすべてがかっこよすぎる。
彼が乗るだけで、(改造された)アストンマーティンに乗りたくなるし。
彼が着るだけで、トム・フォードのスーツを着たくなるし。
彼がつけるだけで、オメガの時計をつけたくなるし。
彼が飲むだけで、ウォッカ・マティーニを飲みたくなる。
車もスーツも時計もお酒も、すべては彼のためだけにある気がする。
もはや彼の前ではそれらの広告は無に帰すかもしれない(笑)

尺は長いけど、シリーズを観てきた人なら、絶対観るべき映画。
世界が変わっていく中で、変わらないかっこよさをボンドは提示し続けている。

さて、次回作は、、、?
エンドクレジットには、毎回差し込まれる"あの一文"があるので、首を長くして待っていましょう。

JAMES BOND WILL RETURN
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