裏切り恐怖症になってるボンドの沸点が低くて、初対面ならとんでもない主人公だなと思うけど、クレイグボンドとはそうではないので見応えがある。子供相手にしどろもどろする姿も初対面ならなんだろうこのおじさんと思うけど、クレイグボンドとはそうではないので見応えがある。映画としての深みというか何というか質みたいなもんはスカイフォールが頂点でそこから風呂敷広げつつも畳み方が分からん状態に陥ったところを開き直って興行的にやっぱあれだから家族とか愛とか並べ立てて都合悪いところはMに終始「こんなはずじゃなかった…」と困らせておいて何とか雰囲気ハッピーに締め括ろうって浅薄な思いが見え隠れするのも、初対面だったらコイツには二度と関わりたくないなと思うけれど、クレイグボンドシリーズとはそうではないのでまた逢える日が来ないものかと、別れの船に差す光に思う。ありがとう、クレイグボンド。次からの007はあれじゃないか。ロードオブザリングくらいの3部作にして終わりを決めておいた方がいいんじゃないか。アストンマーチンとか様式美を保ってれば何でもいいっていう時代ではないな、とは思う。