掛谷拓也

007/ノー・タイム・トゥ・ダイの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

3.2
007シリーズなのでカーチェイス、格闘画面を含めてアクションはゴージャスで痛快。個人的な恨みから人類滅亡を目論む悪の組織が大西洋の島に工場を作るという設定が荒唐無稽だという批判はアクション映画には当たらない。アクション映画とはそのお決まりの安心感の中で見るものなんだろう。ダニエル・クレイグは相変わらず男前。ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは島で確実に死んだので、次回作があるとしてもボンドはダニエル・クレイグではない。悪役の俳優の能面の不気味さ、毒草で侵された顔面など異様さもリアリティがないとは言え、アクション映画としては上質。007シリーズお決まりのテーマ曲も流れれば気分が上がるのは、すぐれたシリーズものの贅沢さが味わえる。007が永久欠番かと思えば黒人女性のエージェントが継いでいたり、ボンドに本人も知らない女の子がいたりというエピソードもストーリー展開にアクセントを加えている。