ノラネコの呑んで観るシネマ

友罪のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
4.2
めちゃくちゃ重い・・・。
元雑誌記者の生田斗真と元少年Aの瑛太が友達で、佐藤浩市と富田靖子がAの両親なのかと思ってたら違った。
これ酒鬼薔薇事件の他にもいくつかモデルになっている事件があって、それらを組み合わせて、ある種の群像劇を構成している。
登場人物は、ほぼ全員が過去に犯した罪によって、大きな傷と後悔を抱えて生きている。
過去への向き合い方、贖罪の意識も異なり、それがそれぞれの生き様となって見応えある物語を構築する。
彼・彼女らの中で、実は一番罪に向き合えていないのが、主人公の生田斗真という訳。
罪を犯した人間はどう生きてゆけば良いのか。
贖罪はいつまで続ければ良いのか。
そもそも罪を償うということは、どういうことなのか、そしてそれは可能なのか。
殺人だけでなく、誰もが陥る可能性があるケースを組み込むことで、各登場人物の葛藤が非常にリアリティを持ってくる。
これでもかというくらい、ネガティヴパワーがマックスの映画で、分かりやすい救済や希望も無い。
それ故に心に刺さるのだが、映画に力がある分、気分が凹んでいる時に観ると本当に鬱になりそうなので、事前に「ランペイジ 」とか観てからハシゴするといいかも知んない。