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泣き虫しょったんの奇跡のblacknessfallのレビュー・感想・評価

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)
2.9
本当はステイサムの🦈観たかったんだけど、まあ、色々事情がありこっちに。原作読んでたし、まあ、いいかと。それに今まで2度、松田龍平に似てると言われたことあるし😬

26才までに規定の成績に届かず、プロ棋士なれなかったしょったんが、アマ名人になりプロ棋士との対局であり得ない高勝率叩き出す。
制度の壁を周りの人達の尽力もあり突破しサラリーマンからプロ棋士になったしょったんの涙と挫折、努力と栄光の物語。

原作読んだ者としては、映画に落とし込む時に行われた改変。どこをどう変えたのか、どこを強調したのか、映画と原作の差違がうまく機能してるのかに力点置いて観ちゃうよね。

その視点から言うと、まあ、さすまじくひどいくはないけど、原作のテイストを活かし切ってるほどうまいと言えるほどでもなかった。
腹はたたないけど、感銘もできないみたいな笑

言う気になれば悪口いっぱい言えるんだけど、しょったんのことをリスペクトしてるので、彼の偉業に免じてサクッと大雑把に。

まず原作は、けっこう軽妙でコミカルでライトでさっぱりした文体で書かれてるんだけど、映画はベタでウェットな上にくどい、、おれから見てしょったんのトボけてアッケラカンとした魅力を伝えるエピソードがことごとく使われてないのが残念だった。

あとこれはいつの頃からか気づいたら日本映画のダメな特性になってしまったやつ。とにかくバカでもわかるぐらいのわざとらしい感涙系美談に仕立てられてしまったこと。
原作でもしょったんの夢に自分を託して協力してくれる人はいるんだけど、映画は絡む人片っ端から過度にしょったんに託す。そして長々ウェットに思いを語る。ここの演出のダサさ、不自然をオーバードライヴした嘘臭さが耐え難いレベルだった。
何よりそんなお涙演説に時間取られて、肝心のしょったんが特別措置でプロ棋士認定試験対局を将棋連盟に開かせるまでの駆引きや経緯がよくわからない形で編集されちゃってんだよ、、ここが原作の1つの大きな山場で本当に詳細にスリリングに書いてあったのに何やってんだってため息が出たよ、、笑

演出、脚本がポンコツだけど松田龍平は凄かったよ。何かの記事で彼の30代の代表作が誕生みたいに出てたけど、それも納得の圧巻の演技だった。
しょったんは泣き虫と言うものの、そんな号泣するようなタイプじゃなくて、基本、言葉が少なくて感情表現、喜怒哀楽全てが淡い人。だからほぼ全ての感情をちょっとした顔の作り方、目線の置き方、姿勢なんかで処理してたんだけど、これが素晴らしかった。抑制から激情を鮮烈に、時に幽玄に表出させる、こんな演技ができる役者だとは思わなかった!これだけは観る価値ある。

あと将棋ファンの人はプロ棋士が本人役だったり別の棋士役で出てるのでそこも見所かも笑 一緒に観た将棋好きはかなり楽しそうでした笑
パンクスのおれとしてはアナーキーの仲野茂がちょい役で出てたのがサプライズだったけど笑
RADWIMPSのあいつはかなり重要な役で話題になったけど、これはミスキャストだな。華も雰囲気も演技力もない人に大役任せちゃダメだよ。しかし、顔、すげぇ地味なんで驚いた笑
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