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ゆらりのhirogonのレビュー・感想・評価

ゆらり(2017年製作の映画)
3.8
齊藤工監督作「blank13」などの脚本を手がける西条みつとしの同名戯曲が原作。

不思議な感じの映画だった。作品の事前情報はあまりない状態での鑑賞でした。
それまで、家族を描いた話だと思って見ていたら、終盤急にタイムリープの話が入ってきて、「一体何の話だった?」という感覚に陥ります。
結果的には、ファンタジー要素が入っては来ましたが、家族の絆を描いた話であることには変わりありませんでした。
ただ、それまでの映画の雰囲気とタイムリープという現象がかけ離れていたために、上記のような感想に。

(以下、ネタバレ)
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映画紹介ページを見ると、以下のように紹介されていました。
「あの時、伝えられなかった思い」を抱えた人びとが、時を超えて家族の絆を取り戻す姿を描いたファンタジー。

なるほど。”家族の絆を描いたファンタジー”、”あの時、伝えられなかった思い”、的確な紹介文です。
誰にも思い当たることがあるような、後悔と共に記憶された”あの時、伝えられなかった思い”。
そんな”思い”を、タイムリープという手段を使って伝えるというのが、本作のポイントです。

タイムリープという大そうな現象の割りに、その実現装置がかなり安易なのが笑えてしまいますし、タイムパラドックス的にも気になる点はあるのですが、そこを指摘するような作品ではないので置いといて。

”現在・過去・未来”のお話が、時を越えて繋がります。
そして、伝えられなかったはずの思いを伝えることができた時、心が温かくなるとともに涙を誘います。

特に、自分の心の中にそんな思いを抱えている人にとっては、響く内容になっていると思います。
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