叡福寺清子

フォロイングの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

フォロイング(2017年製作の映画)
3.0
亜細亜的なものに気安く触れるんじゃねぇよ,このグリンゴがぁ!こんばんわ怒りの三遊亭呼延灼です.あたくちのレビューにしばしば登場する「グリンゴ」なる単語ですが意味わかりますかしらね.アミーゴ達がアングロサクソン系白人に使う蔑称です.ニ○―やらジ○○プみたいなものです.下手に使うとぬっ殺されますです.
さて,原題のGHOST HOUSEですが幽霊屋敷ではなく,タイのあちこちに祀ってある祠の事です.ここに供物を捧げて霊魂の機嫌を取り,祠に住んでもらって人の家に入ってこないようにする風習だそうです.ガイドのゴゴが言ってたようにいい文化だと思います.日常的に霊的なものを触れるってのは,日本の八百万の神々的な文化と共通概念な感じで大変結構なことだと思いました.
そのゴゴさん,八面六臂の大活躍で実質メインヒーローじゃん.ジェリーとジムは騙されたとはいえ,バンコクまで行って地元民に迷惑かけまくりな困ったカップル.
その地元民といえば街の乞食,ゴゴの村の人々,どっからともなく現れた僧侶,胡散臭いチノ,豪放磊落な呪術師バーさん等々,いい感じの人々を用意したなとそれは感心した.特に呪術師バーさんは貞子VS伽椰子に登場した常盤経蔵・珠緒とのセットでどっかのホラーに再登場してもらいたいレベルであった.たぶん経蔵の師匠が呪術師バーさんなんですよ.経蔵のふてぶてしさは師匠譲り.
そして本作のヤツは「ワタベ」と呼ばれる老女の悪霊.なんでも若い頃日本人と結婚して泣く泣く故郷を後にしたはいいが,旦那が不倫,怒り心頭なワタベさん,自宅に放火するも旦那と不倫相手は逃げて自分だけが焼死したという不幸な生い立ち.多分ですけど元々は「渡辺」さんだったんじゃないかしらね.でそのワタベさん,ゴゴさんに負けず劣らずの大活躍.出し惜しみすることなくバンバン脅かしにきます.昼夜無関係.明るい所も鬱蒼とした森の中もなんだったら走行中のバンにだってバァァァァンって張り付いちゃいます.壮絶な死を遂げたにしては元気です.悪霊の鏡です.しかも祓われたら,後腐れなく離縁,生前ダメンズに引っ掛かっていらん事して死んじゃった事の教訓が活きてます.やっぱりワタベさん,いい悪霊です.でも祠を面白半分に扱ったら祟るからなというラストで,今日は時間となりました.次回は「ファウンダー バーガー帝国~」か「アウトキャストシーズン2」を語る予定だよん.