blacknessfall

デス・ウィッシュのblacknessfallのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
3.5
イーライ・ロスはマジでリメイク作品選びはセンスいいんだよ。これ撮ってくれんだ!?超楽しみ~😍ていつもなるし。
そして、映画の出来も悪くないんだよ。なんやかんやで集中が途切れることなく最後までドキドキしながら観れっし💨
ただ、ただ、いっっっつも余計な改変を1つ2つやって結果的に絶讚しにくい映画ばかりなんだよな、、

で、この、狼よさらばのリメイク、デス・ウィッシュはというと…
やっぱり、かなり想定内のイーライ・ロスっぷりだった笑

暴力や争いとは無縁のエリートが暴漢に妻と娘を襲われ、復讐心と暴力の魔性に魅いられて、過剰な自警団精神に憑かれ自身の事件と関係のない犯罪者にも怒りの銃弾をぶちこんでいく。

この話の肝って暴力に魅せられ取り込まれていく男の精神、心理の変化にあると思う。
デス・ウィッシュはここがすごい軽いんだよな。オリジナルのブロンソンは見てて焦れったくなるぐらい逡巡したり、犯罪者狩り始めてもメソメソ葛藤したり、でも、そのタメがあるからカタルシスと戻れない狂気と一体化した怖さが引き立つんだよ!
デス・ウィッシュのウィリスはそこに対する迷いをけっこう早々に絶ち切ってサクサクとキリングマシーン化して、なんか違うなって感が強かった笑

そもそものとこ、この心身ともに暴力とは縁遠い男が暴力との親和性を高め、やがて暴力の権化になるて役柄がウィリスに合わなかったのかなぁ、、なんか眼力もあるしガタイもいい笑 始めから暴力もイケるオーラがあるんだよな笑
一生懸命、平和主義のエリートを演じてはいたけど。

一番致命的にダメだなて思ったのは、職業の改変。オリジナルは建築士、こっちは外科医なんだよね。
どちらもエリート系なんだけどウィリス医師、外科医の上に救急救命もやってるから、始めから血生臭い場所に身をおいてるわけなんだよ。
命を救う人間が命を奪うてことでギャップやアイロニーを醸し出すみたいな意図はあるように思うけど、ある意味命のやり取りしてる人間なわけで、裏返しただけみたいな近さが強調されてギャップが弱くなったと思う。

イーライ・ロスは理で落としたがる悪癖があるから、外科医てことで異様に合理的に痛みを与える拷問や自身の怪我を自分でうまく治療するとこに必然性がほしかったんだろうけど、そのために話の本質的な部分が薄まったら本末転倒だよ、、笑

なんか悪口ばっかりだけど、そこはいつものイーライ・ロスなんで決してつまらなくはないんだよ、むしろおもしろい。
まず話の展開がソリッドだし、出てくる人物がみんなうまく物語に絡むから脇役も印象に残る。サスペンスフルな展開を使って終始興味が持続するようになってるから飽きる時間がない。沈痛でウェット一辺倒でリズムが重かったオリジナルより遥かに見やすい。
そしてオリジナルになかった、ちょっとブラックでオフビートなユーモアやホラー作家のプライドを刻印するかのように挿入されるゴア描写は時間こそ短いけど確実にショックを喚起する見事さ。

この、自分でも誉めたいのか貶したいのか分からなくなる感じ、ノック・ノックとグリーン・インフェルノ観た時とまったく同じなんだよ笑
次になんかリメイクする時はすっきり誉めたくなる傑作かディスりまくりたくなる駄作でお願いしたい😂
blacknessfall

blacknessfall