ニクガタナ

花筐/HANAGATAMIのニクガタナのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
3.4
大林宣彦監督による、艶ある血に彩られた戦時下の青春群像劇。重なる音楽、重なる唇、重なる体、重なる映像…つまり合成。リアリティとか、セオリーとかに囚われない、大胆でアートな背景合成が織りなす耽美というか、乱歩っぽい怪しげな世界。なんか魅かれる独特の雰囲気。僕はこの作品の昭和初期の文学的なセリフ回しはうんと好きだ。全体的に訳は分からん。生きるとは何か?とか戦争の無意味さを描いているのかなぁ?戦争のバカバカしさをカカシの兵隊とかで表してたのかなぁ?何はともあれとにかく長い。セリフが隙間なく敷き詰められ、時々コマ落としで早回しになったりするので体感で3時間。主演陣皆好演してて飽きはしない。子どもみたいな芝居させられ気の毒な窪塚俊介。全裸をはっきり見せて欲しい矢作穂香は結核患った儚げな透明感が良く出てる。一際色香放つ常盤貴子。男女問わず節操なく魅かれ合いやたらと脱ぐ満島真之介。およそ学生には見えないが芝居が上手い長塚圭史。門脇麦はまたも健気な薄幸ぐあい。そしてTOHOシネマズに行くたびに、全く成長しねぇなぁと毎回思う幕間のナビゲーター山崎紘菜が思いの他ちゃんと芝居できてて驚いた。
ニクガタナ

ニクガタナ