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モリーズ・ゲームのmaverickのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
4.3
主演ジェシカ・チャスティンということだけで興味を引かれて鑑賞。観る前のイメージは、やり手のジェシカ・チャスティンの格好良さ満載とか、ポーカーゲームの心理戦がメインの頭脳系な作りとか、セレブ業界の裏側の恐ろしさが赤裸々に語られるとかの映画かなと思っていた。実際その通りなのだが、それらはすべて本作の核心のための布石でしかない。上に挙げた要素だけの映画だとしてもそこそこの面白さだったと思う。しかし核心部分によって語られる後半部分は本作の面白さが何倍にも増す。これだから映画は最後まで観なきゃ分からない。主人公モリーが如何にして成功したかというサクセスストーリーの話ではなく、彼女が如何に優れた女性だったかという話でもない。彼女の強さは別の所にある。そして観れば分かるが、彼女は意外と普通の人間。小さい頃から兄弟と比べられ、親の愛を受けたいがために頑張ってきた。多くの人が彼女に共感するだろう。彼女に重ねる部分が誰しもあると思う。彼女は最後に決断する。その行動に多くの人は勇気を与えられると思う。女性が主人公で、強い女のアイコンであるジェシカ・チャスティンが主演なので、もちろん世の女性に勇気を与える映画であることに間違いはないが、女だろうが男だろうが関係ない。彼女の行動は人間として称賛に値する。成功も失敗も、そこから何を学ぶかが大切なのだと教えられる。本作はモリー・ブルームという実在の人物がモデル。彼女の自叙伝が映画の原作だ。これがノンフィクションというのも話題性が大きいが、何よりも彼女の生き方が凄いなと思わせられる。彼女の生き方から多くを学べる内容になっている点が素晴らしい。ジェシカ・チャスティンはハマリ役で見事だった。弁護士役のイドリス・エルバも父親役のケビン・コスナーも良かった。思ってた以上に良作でびっくり。批評家からも高評価らしいが納得である。
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