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METライブビューイング2017-18 マスネ「サンドリヨン」 シンデレラのadagietteのレビュー・感想・評価

3.5
2017-18MET ライブビューイングのトリ。
全然きいたことないなぁと思ったら、 MET初演らしい。

とはいえ、タイトルロールのディドナートさんはこの役が十八番らしい。1996年にはじめて歌ったらしい。上品で、素晴らしく頭の良い方。
王子にアリス・クート。安定のパンツ・ロール。
イドメネオ以来だな。。
継母のステファニー・ブライズさんは、ちょっともうしびれるほどの美低音。
本作では、父親が大事な役なのも面白い。シンデレラの状況を語り、心情を推し量る。
一番人気は、妖精役のコロラトゥラ キャスリン・キム。
めっちゃ小柄なんだけど、つったった銀髪に妖精コスが似合って可愛いのに、演技がとってもコミカル。ちょっと友近っぽい。

さて、あんまり知らなかったこの作品 .....うん、指揮のド・ビリーさんはうまい事言ってたけど、いろんな要素が脈絡なくでてきて、ちょっと変なんだよね、音楽的に。
歌のないパートが延々と続いたかと思ったら、え?フィデリオ?と思うようなアカペラ重厚合唱に切り替わったり、軽めのつくりかと思ったら主役が延々と繰り言アリアをやっちゃったり、ワグナー風??なバリバリテュッティから おしゃれリヒャルト風にころっと流れたり。。。
結果、ドタバタしてたなぁという印象が強く残ってしまう。

が、演出がよかったですね。
絵本から飛び出してきたお話、という体で 表紙の赤 紙の白 インクの黒を上手に使ったセットとコス。
合唱も最近は大変だ、コミカルな動きがそこここに。
間延びさせないよう、視覚面で頑張っていたと思います。

ところで、マイナーな作品だし空いてるだろうとのこのこ出かけたのだけれど、ほぼ満席!
上映中のがさごそゴホゴホもなく、この企画は着実に人気アップしていると感じた次第。
来期は椿姫が新演出らしい。
あのソプラノが下着1枚で、世間を喜ばせた演出は、どうしても感情移入できなかったので、ほっといたしますです。
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