この映画の舞台裏を明かす映画。
このしょうもない企画に、実に多くの大人が命がけで参加した末にあのようなコメディ作品が出来上がったことを思うと、妙に感動的な作品に見えてくるから不思議。
特に感動したのは、何時間も箱の中で撮影を続けるカメラマン(尿瓶代わりのペットボトルを持ち込む！)と、時代とともに進化している特殊メイクの技術。
まさかこんなにも精巧な特殊メイクをしているとはつゆ知らず、感動的だった。
いわゆる迷惑系ユーチューバーと一線を画すのは、この本気度と、他人を困らせることを厭わない精神性のダメさ。
迷惑系ユーチューバーには「なんか面白そう」という程度の考えしかなく、ここには明確なロジックはない。
ネタバラシをしているのかはわからないが、ネタバラシしても大して笑えないから悲しい。
バッドグランパのいいところは、彼が悪者になることで嘲笑を浴びて笑いを取るという、高度な笑いを実現していること。
怪我するほどの本気のスタントをこなして困っている姿で笑いを取る。そしてそれをみんなで計算して撮影するという技術はまさに職人芸。
あと思うのは、困っている老人に、比較的すぐにみんな手を差し伸べる姿が印象的だっていうこと。
アメリカは自由と責任の国なんて言われるけど、なんだかんだ、日本よりもみんな豊かで寛容なのかも。最近の日本人は、とにかくゆとりがなくて、他人にやたらと厳しいから。
