正直、いまいち最後まで映画に乗り切れなかった。
おそらく最大の理由は「きれいすぎる」こと。
この映画、憎悪からくる殺人事件のはずなのに、不自然なまでに全員がきれいすぎる。
もっとドロドロしたものがあってもいいはずなのに、そういうのはすごくあっさり。
最後の最後まで、犯人にたどり着くようなヒントがないままに進行するが、もしかしたら勘の良い人は途中で気がつくかもしれない。ただ、気が付かせないように、極端なまでのその人物の描写が少ない。
伏線が弱いし、御本人たちの葛藤もほとんど感じられなかった。
最も憎んでいるはずの草薙刑事でさえ、どこかきれいに見えた。
(パレードがあまりにもプロ級すぎて、もはやこれが町のお祭りなのかと疑うレベルなのは、ここでは置いといて)
また、これがガリレオ先生でなくてはならない理由は液体窒素くらい。
容疑者Xの献身のときの四色問題みたいな、この人でなくてはならないっていうものが、残念ながら映画からは伝わってこなかった。