Morohashi

最後の決闘裁判のMorohashiのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
昔、女性にはほとんど「権利」というものが認められていなかった。
セクハラされようが、性的搾取されようが、だまっていることがよしとされた。

なぜならば、自分たちは男の所有物にすぎず、男の邪魔をしてはならないと教えられてきたから。

でも、そんな中でも勇気を出して声を上げた結果、案の定周囲からは非難され、最終的には旦那が出廷して決闘裁判(決闘で決着をつけ、最後に勝ったほうが神の意志=勝訴)に出ることとなった。

旦那の母親からは「うちの子どもを、こんなくだらないことのために死ぬリスクと隣り合わせの決闘に送り込むなんて信じられない。あんたが黙っていればいいだけなのに」と嫌味を言われる始末。

しかしこれ、決闘裁判こそ違えど、数年前の世界の常識とそう変わらない。

性的搾取に声を上げることが「当たり前」のような雰囲気になってきたのも、かのMeToo運動を発端とするごく最近のこと。
そんな問題提起をしてくれる映画。

マット・デイモンが、まさかのかわいそうな役。
アダム・ドライバーが、めちゃめちゃイヤな役。

三幕構成になっていて、次第に物語の全貌が明らかになるという構成になっていて、そのやり方も面白い。
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