シャイン
いわゆる「毒親」と、それに苛まれる息子の話。
父の存在がなければ、ここまでのピアニストにはなれなかっただろう。だからこれは強烈な洗脳が、ある意味では成功した一例。
でもこういうのって、結果的にうまくいったから「あのお父さんの指導はすごい」と言われるのであって、失敗して単にお互いが傷ついた事例は山ほどあるはず。
これが実話に基づいているから、そりゃそうなんだけど、こういう親って本当にいるから怖い。
一般に父性愛は条件付きの愛。
何かを達成したらほめてあげることが父性愛。
この父性愛というのも、やっぱり適切に発揮しないと単なるストレスにすぎない。がんばっても父に認めてもらえなかったショックは、相当のことだったんだろう。
そのデヴィッドが、周囲の優しさによって立ち直る姿は実に美しい。いろんな偶然が重なって、結果的に社会生活に復帰することができたデヴィッド。
あのとき、あの場所から追い出されなくて、あの場所にピアノがあって、本当によかったと思う。
ところで、父親役の演技がすばらしい。
あそこまでイヤな父親を演じられるとは。本気で嫌悪感を持った。笑