柊

はじめてのおもてなしの柊のレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
3.9
ドイツの背負ってきた過去と難民問題。作りようによっては如何様にも重苦しい内容にもなり得た題材を軽妙に仕上げた佳作。ドイツ人だからと言うくくりではなく、何人であっても夫婦や家族、子どもとの向き合い方を振り返れば、良い時はそうそう長くは続かない。それでも人生は続いて行く。そんな永遠の問題点に難民問題を絡め他国人の視点が入ることで、物事の見方が変わっていくそれぞれが好ましい。
もちろん現実はこんな上手くはいかないかもしれないけど、人が人を理解して暮らしていくという事が何より大切だと教えてくれる。命を理不尽に脅かされる事なく普通に働き、学び、家族が笑い合える暮らしの何と幸せな事か。
最初はドイツ人家族の誰にも共感できなかったけど、最後みんな一皮向けて良い人になったのは映画だからあり得る事とちょっと都合が良すぎるけど、終わりよければ全て良し。
でもドイツの国防省みたいな組織がドローンを使って難民の危険人物を監視している様は何だか嫌だな。今の時代こんな風に監視されて生きなければならないのかしら?これは難民に限ったことではないと考えると何だか空恐ろしい。
そして邦題が何だかピントハズレのような気がする。英題くらいで良いのでは?
柊