ロカ

はじめてのおもてなしのロカのネタバレレビュー・内容・結末

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ドイツ映画を見るのは初めて。

何度も大笑いしてしまった。

老いていくことの苦しさと寂しさ、それを夫婦で分かち合うことができず心が離れ離れになっていくつらさ、難民のディアロはいわれない差別を受け亡命を許可されるか危うい…などなど、題材は非常に厳しい問題を含み考えさせられるものでありながら、コメディ的な描き方とのバランスが抜群。

特に好きなシーンは、ディアロとバスティたちがミュージックビデオを作るシーン。
HIP HOPの世界に親しんでいるわけではないが、声変わりしていない少年ボイスのラップは最高にクールだった。
また彼らはストリッパーたちを性的な対象として消費するためではなく、彼らの追求する芸術をクールに彩ってくれる仲間として招いていた。
彼らの芸術の中にあっては、小学生も難民もストリッパーもみな対等だった。
世界平和を感じる。
リヒャルトもバスティの音楽活動と素晴らしい感性を受け入れた結果の「パパのプッシーちゃん」発言なのだろう。
泣ける。

ディアロとバスティがサッカーのゲームで盛り上がるシーンもとても楽しい。
やはりスポーツは国境を越える共通言語だ。

実際の難民たちはディアロのように筆舌に尽くし難い経験を背負って逃げてくるのだろう。
移民の受け入れによって様々な問題が発生するというが、もし彼らを受け入れないのであれば、彼らは一体どこへ行けばいいのか。
あまりにも酷だ。
皆が平和に共存できる道があるといい…。
ロカ

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