ロカ

マリリン 7日間の恋のロカのネタバレレビュー・内容・結末

マリリン 7日間の恋(2011年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

マリリンは繊細な心と独特のメソッドを持ってるが故に外国の撮影現場で冷たく当たられ自信を失ってしまい、夫との関係にも大きく亀裂が入ってしまう。
ファンも取り巻きも大勢いるのに、おそらくいつも内心孤独で怯えていたのだろう。
外国で孤立した結果、それが噴出する。

マリリンの心は儚く純粋でもあるが、意識しているのかしていないのか定かではないが、ナチュラルに狡猾でもある。

自分に対して無垢な憧れと純粋な思いやりを示す7歳年下の下っ端雑用係を性的に翻弄し、自分に対する恋心をこれ以上ないほど引き出させた上で、寄りかかり甘えることで自信を取り戻し、見事に撮影を成功させる。
当然、大女優マリリンには何もかも捨てコリンと共に生きる気など毛頭ない。
かなり狡い女性だ。

しかしコリンは失意に沈むのかと言えばそうではない。
マリリンとの儚い恋愛関係を受け入れ、思い出を宝物のように大事にしながら生きていくのだろう。
普通に哀れなのだが、なんだか美談としてまとめられている。
マリリンが誘惑する術に長けていてあまりにも魅力的なので、悲しみなど吹っ飛んでしまったらしい。

この物語の根底には「高嶺の花コンプレックス」とでも表現できるような何かがあるような気がする。
本来は絶対に手の届かないであろう高貴な女性と、ほんの短期間でも気持ちが重なり合っただけで、ほとんど人生最大最高の喜びを得てしまうような男性の物語だ。
(ローマの休日も同じカテゴリーの物語かもしれない)

お互い満足しているのだからまったく構わないのだが、ラストシーンでコリンを「大きくなった」などと形容するのは如何なものか。
マリリンとコリンの間にどんな信頼があろうとも、これを恋と呼ぶならば、実態は上品な火遊びに過ぎないと思う。
真に人を成長させる恋愛はもっと地に足がついたものなんじゃないかな…なんだかな…と思いながらの幕だった。

それにしてもマリリンは繊細で複雑で可愛かった。
ロカ

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