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スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのTSのレビュー・感想・評価

3.6
【何を信用すべきか】76点
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監督:ジョン・ワッツ
製作国:アメリカ
ジャンル:アクション
収録時間:130分
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2019年劇場鑑賞37本目。
MCU23作目。フェイズ3、インフィニティ・サーガの最後を飾る作品。何故『アベンジャーズ エンドゲーム』をフェイズ3の最後にしなかったのかという問いは見ればわかるような気もします。流石にエンドゲームと比べると相当見劣りしますが、それでも単作として見れば中々面白いしテーマ性もしっかりしています。トリを飾るのにふさわしい、とまでは自分からは言えないですがこれでしばらくMCU作品はお預けであるとなると少し寂しくなりますね。ちなみにアメリカでの公開は7月7日らしいのでかなり先行していますね。

サノスを倒して平和が戻った世界。トニーに託されたメガネを持ち責任感を抱きながらも高校生活を楽しもうとするピーター。ある日意中のMJらと一緒にヨーロッパ旅行にいくことになるのだが。。

エンドゲームを見ていない人は決して見てはいけない作品笑 一応あの事実を隠しながら書いていきますが、見ているのを前提で書いていきます。スパイダーマンであるピーターはいくらヒーローといってもまだ16歳。そりゃあ遊んで思い出をたくさん作りたい年頃であります。そこに任務だの何だの日常茶飯事に頼まれたら何もありゃしない。公私の区別が出来ていない日本人のようであります。僕も人のことは言えませんが、ついつい仕事を優先しプライベートを後回しにしてしまう。仕事はサボってはいけませんがだからといってプライベートを犠牲にするのは違う。16歳の高校生なら俄然プライベートを大事にしたく、しかも自分がスパイダーマンというのを知られないためにそれなりの努力もしています。しかし、トニーに託されたメガネもあるし、、葛藤の最中とある人物が現れて一変します。

今回のヴィランはかなりトリッキーであり、見ている我々も騙されてしまいます。そこに今作のテーマがあります。つまり、「信用しすぎると血を見る」ということです。人を信用することは大事だが、信用しすぎると自分が痛い目にあう。スパイダーマンの弱点は誰でも信用しがちなところ、つまり優しすぎる部分にありそこを今回のヴィランは突いてきます。敵ではなく自分と戦う。まるで『ダークナイト』のような構造であります。彼はそれを克服することが果たして出来るのか。

また今作は「継承」というのもテーマになっています。今までサポート的な位置にいたスパイダーマンでしたが、いざ自分がメインになると、、このピーターの継承に対する覚悟が今作では描かれています。ヒーローというのは実に大変なものです。ヒーローという職業はありませんが、さながら厳しいものであるということが特にスパイダーマンシリーズから理解することができます。

何とか終わったフェイズ3。これでひとまず終わりでフェイズ4の作品が発表されるのはいつになることやら。ともあれ壮大なサーガを見ているようでして感慨深いものがありました。とりあえず全キャストに労いたいですね。11年間お疲れ様でした。
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