ぐるぐるシュルツ

ジュリアンのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
3.4
愛が執着に変わるんじゃない。
執着を愛だと思いこむだけ。

〜〜〜

夫婦間の仲違い、養育者を巡る裁判。
現代社会では日常茶飯事。
残念ながら、事件にまで発展することも、ままある話である。

調停シーンから始まる。
どちらの主張も等しく聞こえる。
どちらかが嘘をついてる?
それはわからない。
こんな調子で物語中盤までは、
どちらが悪いのか掴めない。
第三者となると、数日間を追ったって、ここまでわからない。見えてこないものです。
ここが怖いところですね。

終盤になる頃には何が不具合なのかがわかるけれど、
当事者であったって、
どうすれば回避できたのかは、
やっぱりわからない。
元配偶者であって子供が二人もいたら、
どうやって対処できるのだろうか。
どうやって過去の思い出や感情や習慣を引き払えるんだろうか。
周囲も一緒になって、
エスカレートさせてしまっているのだけは確かなのだけれども。


でも、一番巻き込まれているのは、まぎれもなく子供たち。
大黒柱で厳格な父と
おかしい父の違いなんて受け止められるわけもなく。

実際に僕たちは正に隣人で、
人ごとじゃないですね。

執着が火花を散らすのはいつからなんだろう。
「愛」という曖昧な隙間に逃げこんで、誰の手も出せないようにしてしまうのはいつなんだろう。
自分ならどうなのだろう。