けーな

ミクロの決死圏のけーなのレビュー・感想・評価

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)
3.6
襲撃を受けて、脳内出血を起こした科学者を救うために、ミクロサイズに縮小された科学者達が、特殊潜航艇プロテウスに乗り込み、体内に入って手術するという任務を遂行するSFの冒険活劇。

アイディアがとても面白い。現実にはあり得ない内容なのだが、よくぞ考えたなと思う。そして、CGの技術が、まだなかった1966年に、特撮で撮っているのが、すごい。その特撮を今見ると、笑ってしまう部分もあるが、映画を作った美術や小道具の人達の努力が伝わってきて、すごいなと感心した。

女の助手が、白血球にやられて、それを皆で引っ剥がして助けるところが、笑える。

邦題で、「決死圏」という言葉が使われているが、こういう単語が存在するのだろうか。上手く表現した単語を使って、なかなか良い邦題だと思う。原題は、「Fantastic Voyage」。『壮大で素晴らしい旅』というようなイメージを受けるが、もともとfantasticは、fantasy(ファンタジー)と語源が一緒で、『空想的な、幻想的な、現実離れした』という意味。つまり、今作は、『現実にはあり得ない旅』とタイトルで言ってしまっているほどの、現実を超えた究極の物語だと言えよう。
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