にしやん

神と共に 第一章:罪と罰のにしやんのレビュー・感想・評価

神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)
4.5
ほんま、すごいもん作りよるで。なんや、これは?人間の死後、冥土に来た死者が49日間、殺人・怠惰・嘘・不正・背徳・暴力・天倫の7つの地獄の審判を受ける事によってストーリー展開する、韓国ファンタジー・アクションの超大作映画や。製作費40億円やて。ごっついな。
韓国映画史上歴代観客動員数第2位、韓国累計で2700万人動員っちゅう超大ヒット映画らしい。実に韓国人全体の半分以上が観たことになるんやな。すごい動員数や。せやけど、その内容もすごいで。
死んだあとの“あの世”の世界を描いてんねんけど、ハリウッドにも負けへんくらい、VFX全開の映像がこれでもかこれでもかと展開するわ。観る前は「多分こんなもんやろ」という予想をはるかに超えてたもんやから、びっくり仰天やったわ。実際観んと分からんやろけど、トンデモないスケールやで。もう、完全に「マトリックス」か「ハリーポッター」か「アベンジャーズ」になっとったぞ。
内容的には「仏教思想」全開や。せやけど、宗教臭いん苦手やとか、某宗教団体で作ってるやつみたいやったら嫌やとか、そんな心配は一切要らへん。宗教の小難しい部分は一切取り除いて、徹底的にエンタメ作品に仕上げてしもとる。この辺の潔さは気持ちええわ。
映像については、ここまでやるのっちゅうくらいの過剰さや。そこまでする必要性とかそれによる効果とか、そんなんは全く関係あれへん。とにかく無駄に派手や。ことあるごとに降りかかってくる絶対絶命状態もとにかく見た目が無駄に大げさやし。この辺は深く考えたらあかんわ。すべての思考回路を切ってしもて、ただぼーっと観てるしかないわ。
それに裁判かてすごいぞ。中身は超適当。これもまじめに考えたらあかんわ。わし等が普通考える裁判とは全然ちゃう。裁判官の役目の大王をなんとなく納得させたらOK!みたいな感じやから。裁判とか法律とかこんなんでええんかいなと思いつつも、何も考えんと、ぼーっと観てたらええわ。なんでかって?それは裁判自体どうでもええからやわ。まあ、最後まで観てたらわかるから。
その後はにわかにミステリー色を強めつつ(それも二つのミステリー同時進行!)、種明かしが始まるんかなと思たら、突如としてカオスなアクションバトルになったりとかならへんかったりで、もう自分が一体何の映画を観に来たんか訳が分からんようになりつつ、最後は壮絶なヒューマンドラマへとなだれ込んで、館内の客全員を超ド級の号泣へと陥れていくんやわ。わしの右隣のどう見ても新宿のイカツいおっさんが肩ヒクヒクして泣いとったし、左隣のおばはん二人は二人とも顔ぐちゃぐちゃにして泣きじゃくっとったわ。わし?わしかて涙腺大決壊、顔面崩壊させて泣いてもた。泣きすぎて目痛なったわ。
なんやこの作品は。もう、すご過ぎてコメント無理やわ。ファンタジーありいの、アクションありいの、法廷ありいの、アドベンチャーありいの、ミステリーありいの、ほんで最後はメガトン級の号泣ありいの、何でもありのやりたい放題。もう滅茶苦茶で、考えたらこっちが負けみたいなもんや。まさしくカオス、まるで無政府状態。わしの思考を完全にぶち破ってしもて、完全に判定不能、評価不能や。ようこんなもん作りよるな。何べんも言うてるけど、ほんま韓国映画恐るべしや。こんな映画はあんまり無いで。名作なんか、駄作なんか、傑作なんか、トンデモなんかよう分からんけど、これは絶対に観たほうがええと思う。この訳の分からなさを是非映画館で体験してほしいわ。はっきり言うて、これはおススメや。
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