このレビューはネタバレを含みます
実際にあった、金融詐欺事件を描いた作品。
詐欺事件を描いた犯罪映画…と言うよりは、加害者家族が崩壊していく様子を描いた、人間ドラマといった印象の方が強い。
正直言って、特に目新しい要素はないのだが、HBO作品らしい重厚な作りと、デ・ニーロとミシェル・ファイファーの共演によって、ついつい引き込まれてしまった。
主人公であるバーナードの歪んだパターナリズムによって、守るべき家族を逆に失っていく展開が印象的。
家父長的な、父親が一家を守るという価値観の限界を、本作は描いているのではないだろうか。