このレビューはネタバレを含みます
手堅く作ったリメイク。話運びもほぼ同じ。ただオリジナルより1人減ってるから話としてスッキリした感はある。
カメラワークや時代転換の仕方もオリジナルに似せてて愛を感じるリメイクだった。
80年代後半の韓国が民主化に向かう時代と主人公たちの青春時代を重ねたオリジナルに対して日本版は女子高生が時代を作ってた90年代後半。ディテールにこだわる大根監督らしく小物や服装で時代感出すのが上手かった。
あと時代関係ないけど田舎から来たばかりのナミの使ってる文房具とかでダサさを出すのも細かくていい。筆箱に書いてあるイラストとかダサかったなあ。
まあ90年代の頃は子供だったからあんま詳しくないけど、やっぱり名曲の数々はアガる。大ネタと中ネタの使い分けもいい。
ララランドっぽい最初のミュージカルシーンでララララブソングを流すのは斬新。あの曲で踊ってるのってそもそも見たことなかったし。
ただララランドと比べると踊りもショボいし、ワンカットっぽく撮ろうとして全然そう見えてなかったのは残念だったけど。
キャストは全員さすが。オリジナルのキャラの濃さに全然負けてなかった。特に山本舞香の格好良さにシビれた。二階堂ふみそっくりで顔が強い上に声も低いからリーダー格とか気の強い役似合う。
そしてビデオメッセージ撮ってる時にふと泣いてる感じとかほんとに姉御ついていきます!って思わせてしまうキャラだった。
広瀬すずはキャストの中でもかなりオーバーアクト気味だったけども、見てる側が恥ずかしくならない塩梅のオーバーアクトが上手くて、改めて凄い女優だったと思う。
そして広瀬すずが成長して篠原涼子になるとは思えないけど、お互いに調整したのか表情とか声の出し方とか仕草とかが割とシンクロしててちゃんと説得力持たせてた。
池田エライザはJKとアラフォー両方演じてもギリ違和感薄めな佇まい。
後は出番一瞬だけどウメが務めてるブラック営業会社の偉いさん役の新井浩史はさすがのキレ演技。
あそこのシーン一発でサニーのメンバーたちが現在は辛い現実を生きてることがわかる。
オリジナルと違ってSUNNYっていうチーム名が6人の名前の頭文字を取ったものになってるのも気が利いてる。
セリカ・シン・ウメ・ナミ・ナナ・ユウコだからね。
なのにサニーってチーム名を決めるシーンがなぜかシンが急に自分たちが集まってる場所が陽当たり良くて暖かいからって急に言い出しておしまいなのはもったいなかった。
あと1番気になったのは、女子高生と援交してたユウコの旦那を成敗するシーン。まあ向こうも後ろめたいことだらけだから黙ってくれたんだろうけど、普通に寄ってたかって暴力はいかんでしょ笑。
しかもナミに至っては鉄パイプまで使っててドン引き。昔はケンカする時も素手か柔らかい武器が基本だったのにあのシーンだけ浮いてた。
オリジナルと同じようにナミの娘がいじめられててそれをみんなで追い払う、で良くない?
後オリジナルでも思ってたけど、あのヤク中の子にはなんの救いもないのが可哀想だし、ナナの顔に傷がついたのはサニーメンバーのせいじゃないんだからあの後一切集まらなくなるのもおかしい気もする。
とは言いつつやっぱ終盤は割と感動。オリジナルより金ですべて解決してる感じは少しだけ薄まってたし笑。
ただやっぱりエンドクレジットはオリジナルのタイムアフタータイムと絵のコンボが最高だったな。
ラストの踊りはアガるんだけど、できればナミは最後まで踊り超下手なままの方が良かったな。